5 交通局の調査報告書においては、本件プロポーザル審査について、交通局長は知人業者に最高点をつけていないことから、審査において何らかの取り計らいをした事実は認められないとされている。

しかし、一方で「局長が特定事業者を低採点」という報道もなされている。

「未利用地活用検討業務委託」の採点結果として、特定事業者の採点について100点満点中、他の審査委員は46点~59点であるところ、局長は9点の採点を行っている。

調査結果にも記載されているように、あくまでプロポーザル審査結果自体は適正であるにしても、なぜ局長はこのような採点を行ったのか、理由を説明してもらいたい。


○ 「未利用地活用検討業務委託」のプロポーザルについては、新規事業の事業計画の策定から開業、事業運営までのノウハウを有するとともに、民営化を見据えた職員の雇用創出の計画立案のほか、今後、交通局が主体的に事業に取り組むために、職員のノウハウの取得に配慮しながら、交通局と連携し事業計画を策定するパートナーを選ぶという要件を掲げ、事業者を公募したものである。



○ 本件プロポーザルの審査においては、公募する事業者の要件のもと、個々評価項目に基づき採点を行ったが、当該事業者の採点結果については、

・ 事業の主要ノウハウが全て提案者側にあり、当局が主体となって行える提案ではなかったこと

・ 当局職員は事業の下請けに回るような提案となっており、当局の事業としての発展性が期待できなかったこと

・ 会社としての業務実績が、設備・システムのコンサルティング的な業務が主で、実際に事業開発業務や事業運営に携わった経験が感じられなかったこと

・ 専任スタッフが少ないうえ、連携企業との役割分担も明確でなく、業務執行の信頼性に不安があったこと

などの理由によるものである。


6 局長の採点結果については、民営化を見据えた職員の雇用創出及び事業計画策定のパートナーを選ぶという要件のもと、個々評価項目に基づき採点したとの事である。

また、「未利用地活用検討業務委託」を受注した事業者と局長が会食したとの報道もなされている。

交通局長就任以降、局長はこの事業者と会食した事実はあるのか、お伺いする。


○ 詳細は現在調査中であるが、「未利用地活用検討業務委託」を受注した事業者の代表取締役とは、交通局長就任前において、ビジネス上の付き合いがあり、その際は、年1回程度は会食の機会があった。



○ しかしながら、交通局長就任後の平成244月以降、会食した事実はない。



○ ただし、局長就任後、会食ではないが、

・ 平成24年に交通局の事業所の食堂事業者選定にかかる外部委員をお願いしていたので、平成2412月に交通局本局にて一度挨拶をした。

・ その他、平成257月の京福電鉄嵐山駅リニューアルの完成式典で招待客として出向いた際に、同じく招待客としてその代表取締役も来られていたが、その際は顔を見た程度である。



という事実を確認しているところである。


7 詳細は現在調査中とのことであるが、交通局長就任以降、受注業者と会食した事実はないとの事である。

一連の知人問題について、様々な疑念を持たれてしまったのは、何より、公営でありながら、原則、外部委員で審査を行うという大阪市のルールが組織として遵守されていなかったことが原因である。

交通局として一連の問題を真摯に受け止め、今回報告があった再発防止に全力で取り組み、市民の信頼回復に努めて頂きたい。