【質問要旨3】(下水道事業における官民連携の現状について)
長寿命化を目指すアセットマネジメントで維持管理の効率化やコスト削減がスケールメリットで図れる事が十分に考えられるとの事です。
また、建設局では官民連携に関する別の取り組みとして、現在、下水道事業の経営形態の見直しを進めていると聞いている。
その取り組みの中で、主に維持管理を担う新組織は、本市の
下水道施設の維持管理だけでなく、他都市への事業展開を図る事とされているが、現在、全国の下水道施設の維持管理の委託化の状況はどうか。
【答弁要旨3】
平成25年7月に国土交通省が公表した『下水道施設の運営におけるPPP/PFIの活用に関する検討会』の資料によると、平成22年度末で、全国の126の自治体において、全国の下水処理場の約1割に当たる227の下水処理場で維持管理の包括的民間委託が実施されており、年間契約額は合計約600億円となっている。
また、下水道管路の維持管理の包括的民間委託は、モデル事業として3都市の事例がある。
【質問要旨4】(新組織の他都市への事業展開について)
下水道施設の維持管理の包括的民間委託は、下水処理場で約600億円、下水道管路で、今はまだ、わずかではあるが実施されているとのことである。
国の官民連携の取り組みから推測すると、今後とも、包括的民間委託は増加していくのではないかと考えている。
官民連携の一層の促進という国の大きな流れの中、今後、新組織の他都市への事業展開の方向性についてお聞きしたい。
【答弁要旨4】
他都市への事業展開については、新組織の収益性向上を図り、他の自治体における課題解決や、在阪企業とのジョイントにより大阪の成長戦略にも貢献できることから積極的に行うこととしている。
また、新組織における本市下水道事業に従事する職員の技術・ノウハウの継承にもつながり、質の高い技術が確保され、高いレベルの市民サービスが維持されるものと考えている。
事業内容としては、行政組織では、直接参画できない事業や民間とのジョイントベンチャーによる事業展開も、新組織では可能となり、公的な組織としてのマネジメント、業務のモニタリング支援などのコンサルティング業務を受託したり、民間の先進技術と新組織に蓄積された技術・ノウハウにより、新組織と民間企業とが連携し、維持管理業務を受託することなどが期待される。
また、今後、全国的に本格化する老朽施設の改築更新と維持管理とを一体としたアセットマネジメントの新たなニーズは増加するものと想定され、新組織がそれらのニーズの受け皿となりうるものと考えている。
【要望】
・もう行政は運営すればいい時代から経営の時代に入りました。
・少子高齢化社会による人口減の中で当たり前の事が起きているだけです。
・ そのような状況下で今後とも、包括的民間委託が全国的に
・ 増加していくのはほぼ確実といえます。
・ そういった状況も踏まえ、国も公共事業費を削減する一方で、先導的官民連携支援事業について全額を補助するなど、官民連携に力を入れて取り組んでいる。
・ 大阪市の下水道事業としても、約4900キロの管路を今後もしっかり維持管理し、改築更新していくためには莫大な
予算が必要となることから、より戦略的・効率的な事業運営に努める必要性があります。
・ こういった事からも、建設局は今回の事業を通じて国としっかりと連携し、官民連携をさらに推し進め、老朽化が進む下水道管路の適切な維持管理・改築更新に対し早急に対応していく体制を構築する必要があります。
・ 危機意識ではなく危機管理としての対応をお願いします。