1 これまでのベトナム・ホーチミン市における取組みについて2月25日付新聞記事として取り上げられていたが、水道局はベトナム・ホーチミン市で、配水場の新設に関する事業可能性調査を行うということである。そこであらためて、これまでホーチミン市でどのような取組みを行ってきたのかを伺う。

答弁要旨

○ ベトナム・ホーチミン市の水道は、拡大する都市、増加する水需要に対して、給水能力の不足、高い漏水率と水圧低下、それによる水道管内への地下水等の混入による水質汚染や、給水区域末端での時間断水といった課題を抱えている。

○ こうした課題に対して、水道局では、給水区域の末端でも十分な水圧を確保するため、浄水場から各家庭へ至る途中で水量調整や加圧を行う配水場を設置し、配水場ごとに受け持つ配水区域を設定することにより、市内全体の水圧を一元的に管理する配水コントロールシステムの導入を、平成21年度から提案してきている。


2 JICA協力準備調査についてベトナム・ホーチミン市において配水場を建設し、配水コントロールシステムの導入を目指すとのことである。それでは、これから行うと報道された、「配水場新設に関する事業可能性調査」では、具体的にどのような調査に取り組もうとしているのか、水道局に伺う。

答弁要旨

○ 今回行う調査は、JICA事業として、開発途上国におけるインフラ事業を民間活力により行う可能性について調査するものであり、平成25年春の公示に官民連携により応募し、平成26年2月18日付で受託することとなった。

○ 本調査では、約1年かけて、ホーチミン市内の候補地における配水場の建設と維持管理・運転管理を行う事業について、配水場の基本計画など技術検討を進めて概算費用や施工期間などを見積もり、その内容を踏まえて、事業スキーム、キャッシュフロー分析、リスク分析など、事業化の判断に必要な検討を行い、事業の妥当性や実現可能性などを確認する。

○ 既に、先月25日から昨日まで、当局職員1名を現地へ派遣し、第一回現地調査として、ホーチミン市の人民委員会やホーチミン市水道総公社をはじめとする関係先との協議調整を行ったところである。

3 調査実施後の見通しについて昨日まで現地調査を行っていたとのこと。ホーチミン市水道総公社や人民委員会としっかりとした信頼関係を構築して、水道事業の経験とノウハウを活用し、調査を進めて欲しい。ところで、報道によれば、今回の調査により、「事業化を判断する大詰めの段階」に入ったとのことだが、事業化についてはどのように進めていこうと考えているのか、水道局に伺う。

答弁要旨

  これまでは、主として技術的な観点から、ホーチミン市全域でどのような配水施設の整備が必要であるのか、検討してきた。

  今回の調査では、これまでの全市的な調査結果を踏まえて、ホーチミン市内の具体的な候補地1か所を対象にして、配水場事業の事業化について、日本の民間企業が参画することを前提にしたビジネス検討を行う。

  調査で想定している事業スキームは、現地に日本企業が出資する特定目的法人を設立して、特定の配水区域の給水状況を改善するため、必要な水圧を確保することができる配水場を建設し、配水管理システムの構築とそれらの運転管理、維持管理を一定期間実施するというものである。

 このスキームにおいて、水道局は、民間企業にはない、水道の事業実績に基づく施設整備計画や水圧コントロールなどの技術やノウハウを提供することを想定している。


  今後は、事業化の判断に必要となるビジネス検討の内容を踏まえながら、調査と並行して、ホーチミン市の人民委員会および関連部局や、水道総公社、さらには海外投融資などを検討するJICAなど関係先とも交渉を行っていくこととしている。