Eiji Murakami's BLOG

Q7 国内外での事業展開に対する水道局の強み、セールスポイントについて

普通に考えて、水道事業のように収益、支出が計算できる事業は、なかなかありません。その分投資予算も計算しやすい事業体であるからこそ、一日でも早く民間感覚を持った組織を構築すべきだと思います。今後、制度設計を進めるにあたり、海外での事業展開におけるリスクについては、大阪市域の水道事業に影響しないようにしていただきたい。 今回の民営化素案では、「発展性の追求」として、海外での事業展開のみならず国内も含めた事業展開の推進が、民営化のポイントの一つでもあり、積極的に進めていってほしいと考えているが、市域外に出ていくにあたっての大阪市水道局の強みやセールスポイントについて教えてほしい。

A7

○ 大阪市水道局は、120年近い歴史のなか、大阪市域において水源から蛇口までのトータルシステムで水道事業を途絶えることなく運営してきた実績がある。

○ この長年にわたる運営実績により、民営化後の運営会社は、経営計画や施設整備計画の策定、高度浄水処理、配水コントロール、水質管理、お客さま対応、さらには、人材育成など、水道事業経営に関わる幅広い分野のノウハウを有しており、これらが、国内外で事業展開を進める上での強みであると考えている。

○ 特に国内では、水道事業運営は原則市町村が行うものと水道法で定められているため、リゾート開発等に伴うごく少数の事例を除くと民間企業にはトータルの水道事業の運営実績がないのに対し、運営会社は、大阪市水道局の運営実績をそのまま引き継ぐことから、コンセッション方式も含めた水道事業全般の包括受託につなげることが可能と考えており、この点を運営会社の大きなセールスポイントとしてアピールしていきたい。


Q8 新会社の事業運営に求めるものについて

 民営化により、大阪市水道局が持つ高い技術力や事業運営ノウハウを市域以外にも有効に活用することができれば、大きな効果をもたらすことができると考えるが、それを実現するためには、新会社の経営について、リスクも含めて適切にマネジメントすることが必要であり、とりわけ、経営層の経営哲学が今回の民営化プランの成否を左右するといえるのではないかと考える。

 そこで局長に伺うが、今回の民営化プランをとりまとめた責任者として、新会社に求める経営の理念、哲学などについて、どのようにお考えか、お聞かせ願いたい。

A8

○ 今回お示しした、水道民営化の検討素案は、厳しい事業環境の中、事業経営の効率性、発展性を最大限追求し、本市水道事業のさらなる発展をめざすため、最適な経営形態として、民営化を推進することを掲げさせていただいた。

今後とも、この民営化のプランについては、市会の皆さまや市民にそのメリットを実感していただけるものとなるよう、詳細な検討、制度設計を進めてまいりたい。

○ ただ今、委員から、新会社に求める経営の理念等についてお尋ねいただいたが、水道は、市民の命、生活を支えるライフラインであることから、新たに設置する運営会社が水道事業を経営することとなっても、水道事業者にとって最も大事な、「安心・安全で良質な水を安定して、市民の皆さまに提供する」という基本的使命は、普遍的な価値観として引き継がなければならないものと考えている。

○ したがって、こうした価値観を経営の中心に据えたうえで、市民、お客さまの満足度を向上させるような高いクオリティとサービスを提供し続けることが、何よりも重要である。

○ 日本の水道界は、公営が原則であるからこそ、むしろ、民間事業者は公営の事業者以上に、愚直なまでに、水に向き合うことで、事業者としての信用力を高めていくことが必要であり、そのことが、市域を越えて幅広く事業展開することにもつながると確信している。

○ 新会社においては、こうした経営思想に基づき、民営化のそもそものねらい・目的として掲げている、事業の発展、広域化を追求してまいりたい。