Eiji Murakami's BLOG
Q1転籍について

本市水道事業の民営化にあたっては、素案にもあるように、新たな時代の水道事業者としてふさわしい組織を構築していく必要がある。日本の水事業は人口減少社会の到来と大量退職による技術継承の課題と世界の水事業は新興国を中心に水インフラ整備需要が高まっています。日本政府も改正PFIで推奨している様にこれからの水道事業形態の在り方を日本全体が考えなければならない時代に突入しました。基礎自治体がそれぞれの立場を主張するのではなく、水事業として取り組んでいく必要があります。このたびの民営化素案は安心安全で持続可能な水インフラを実現する為にも避けては通れない課題であります。出来ない議論ではなく、出来る議論と共に政府も言う様に決定できる政治に向けて質疑を行いたいと思います。

 民営化によって水道局が目指すとしている効率性や発展性を確保した組織形態とすることが求められております。

 その観点から、まず民営化に伴う職員の身分移管と、民営化後の業務のあり方について質疑を行いたい。

 現在、水道局の職員は大阪市の地方公務員であるが、水道局が民営化した後は、この本市水道事業は新会社が行うこととなり、そこで従事する職員は民間企業の社員ということになる。つまり、水道局職員が引き続き新会社で水道事業に従事するとすれば、地方公務員から民間企業の社員に身分が移管することになります。

 民営化に伴う職員の処遇は、身分や将来の勤務条件にかかわる問題として、慎重に取り扱うべき重要な課題であるが、人事委員会採用の事務・技術職員と局採用の技能職員で身分移管にかかる条件は異なるのか。また、都構想により新たに設置する特別区では、今のままでは職員数が不足されることが予想されているが、各職員に特別区等に移籍することも許容するのか。

A1

○ 人事委員会採用である事務職員及び技術職員は、任命権者の異なる市長部局等への人事異動も可能であるが、水道局採用である技能職員などは、もっぱら水道事業の現場業務に従事するために採用したものであることから、原則、水道局外への人事異動はない。

○ 民営化に伴う身分移管にあたっても、こうした条件の違いは存在する。



○ なお、身分移管にあたっては、職員の同意を基本原則とする。身分移管の同意が得られない場合、最終的には「大阪市職員基本条例」を適用するものであるが、これには分限処分の回避措置を十分とるなど、厳格な運用が求められている。

○ 特に、民営化に伴う職員の身分移管については、私どもとしても慎重に取り扱う必要があると認識しており、現在、各職場において、管理職から職員へ民営化素案を説明し、意見集約を図っているところである。

○ また、来月には局部長が各職場へ出向き、職員との意見交換も予定しており、今後とも、職員に対して、十分な説明を尽くしてまいりたい。



Q2 契約期間の考え方について

職員削減が進んでいるのは評価するが、依然として大阪市の職員数は類似都市平均で見ても極めて高く、現在でも職員一人当たりの給水量は類似都市と比較して低く推移している。人事委員会採用と局採用で職員の立場を考慮して説明責任が果たせる形での対応を願います。

民営化により得られる成果を最大化するためには、また、公務員から転籍して働くこととなる職員の納得性や意欲を引き出すためにも、民営化後の事業スキームが重要となる。

水道局が進めようとするコンセッション型の民営化方式では、市と運営会社の事業契約期間をどう設定するかという点も、事業スキームを考える上での重要なポイントの一つであると考えるが、今回、検討素案において、事業契約期間を30年とした趣旨について、伺いたい。

 また、運営会社にとっては、長期間、競争相手がいない状態で市域水道事業を運営することになるが、運営会社により効率的な事業運営を行わせるための方策についても合わせて伺いたい。

A2

○ 水道事業は、将来にわたり継続して実施すべき事業であり、長期的視点に立って、施設の更新投資も含めた事業計画を策定する必要がある。

○ さらに、本市においては、特に、施設のダウンサイジングに先駆けた浄水場の耐震化や、経年管路更新のペースアップについて、長期事業計画を策定したうえで、推進することが必要な状況にある。

○ したがって、運営会社に、水道事業者としてこれらの経営課題に責任を持って対応させるためには、事業契約期間については、ある程度長期間とすることが妥当である。

○ また、契約期間を長期間とすることで、運営会社の経営基盤や事業見通しが明確になり、民間からの投資を促進する効果も期待できるものと考えている。

○ なお、諸外国で、今回の本市のプランと同様に、コンセッション方式により、民間が水道事業経営をした場合の契約期間は、本市の案のとおり、20年から30年程度の長期となっている。

○ また、現在、国管理空港において、運営権制度の活用が検討されているが、この検討案でも、契約期間は30年から50年程度が想定されているところである。

○ なお、長期契約とする一方、運営会社が、事業計画に沿って事業を適切に行うことを担保するため、10年程度の一定期間ごとに事業実績を審査することとし、仮に本市が要求する目標水準が達成できない場合には、指導、改善命令を行い、最終的には契約の解除ができる仕組みを導入していく。