Eiji Murakami's BLOG
野武士のような弁護士も兼職する吉村議員です。

見た感じが冷徹な感じですが実は面白くて弄られたいキャラだと思います!!


Q3

・そもそも、学校選択制の優位性が認められないのであれば、学校選択制を導入できる仕組みを国で推進する必要はなかったと思うが、学校選択制を導入できるようになった歴史的、政治的経緯について回答願いたい。


A3(答弁予定者:大森教育委員)

・平成812月、行政改革委員会は、「規制緩和の推進に関する意見(第2次)」において、「市町村教育委員会に対して、学校選択の弾力化の趣旨を徹底し、保護者の意向に対する十分な配慮、選択機会の拡大の重要性の周知を図ることにより、市町村教育委員会が本来の機能を発揮し、学校選択の弾力化に向けて多様な工夫を行うよう、指導すべきである。」と提言した。この提言を踏まえ、文部省は、平成91月、全国の市町村教育委員会に対し、「教育上の影響等に留意しつつ、通学区域制度の弾力的運用に努めるよう」、「地域の実情に即し、保護者の意向に十分配慮した多様な工夫を行うこと」等の指導を行った。

・その後、平成10年度に三重県紀宝町が初めて学校選択制を導入し、平成12年度には、東京都品川区の小学校で導入されました。

・さらに、平成143月、閣議決定された「規制改革推進3か年計画(改定)」において、各市町村の教育委員会の判断により学校選択制を導入できること及びその手続きを明確化するよう、関係法令を見直すこととされた。これを踏まえ、平成153月、学校教育法施行規則が改正され、学校選択制の根拠条文が設けられた。この改正以前においても、学校選択制の導入は、市町村の判断で可能であったが、学校選択制を推進する観点から、これを明文化する根拠条文が新設されたものである。

・平成176月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」、いわゆる「骨太の方針」においても「学校選択制について、地域の実情に応じた導入を促進し、全国的な普及を図る」とされ、さらに、平成213月に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画(再改定)」において、学校選択制の普及促進が掲げられ、「学校選択制については、地域の実情に応じた普及を図る。」とされている。

・以上の経緯から、国においては、文部省・文部科学省主導というよりも、内閣主導の構造改革の一環として、学校教育の直接の受益者である子どもや保護者の意向に応える教育改革を推進する方策の一つとして、学校選択制の導入・普及促進が図られてきたことが分かる。

・大阪市教育委員会としても、子どもや保護者の意向に応え、大阪の子どもたちの最善の利益を図ることを目的とした教育改革の一環として、学校選択制の制度化を行うこととしたものである。


Q4

・先般、熟議のとりまとめを踏まえて、教育委員会会議での議論を経て、学校選択制の制度化と指定外就学の基準の拡大を柱とする、本市小中学校への就学制度の改善の基本方針が策定されたとお聞きした。

・先日の決算特別委員会でも、我が会派の村上委員より、学校選択制を含む就学制度の改善についての教育委員会会議の基本的な考え方について質疑を行った。

・この就学制度の改善にあたり、教育委員長から、大阪の教育力の向上、充実を図り、教育の振興を推進し、子どもたちの最善の利益を図るため、子どもや保護者の意向に応えていく必要があると考えたと答弁されている。

・この基本方針で、改善の主な手法である学校選択制の基本内容が決められ ている。東京都区部をはじめ他都市で既に実施されている学校選択制にはない、複数の学校を希望できるという内容である。学校選択の希望調査時に、例えば第1希望、第2希望、第3希望というように、複数の学校を選択希望できる。これは、例え第1希望の学校が、希望者が多く、抽選で漏れた場合でも、第2希望の学校が受け入れ可能な人数に達していなければ、2希望の学校に就学できるということである。

・また、校区内に居住する児童生徒が、校区の学校を希望する場合は、必ず 入学できるように保障している。これは、東京都区部をはじめ他都市の学校選択制と同様ですが、区内の学校施設の収容能力があれば、校区内に居住する児童生徒に加えて、きょうだい関係、自宅から通学距離が最も近い、進学中学校についても、優先扱いができ、該当する学校への入学を保障することもできるとしている。ここまできめ細かく優先扱いを設定している学校選択制は、他都市にはなく、大阪市独自の制度と思われる。

・学校選択制について、このような他都市に類を見ない制度設計を行った趣 旨について、教育委員としての所見をお伺いしたい。

・また、学校選択制に反対ではないが、制度が導入されると地元の学校にいけなくなるのではないかと心配されている保護者の声が非常に多い。今回の学校選択制では、間違いなく、通学区域内の学校に行くことの権利は保障されているのか、併せてお聞きしたい。


A4.(答弁予定者:大森教育委員)

・教育委員会会議で議論した結果、大阪の教育力の向上、充実を図り、教育の振興を推進し、子どもたちの最善の利益を図るため、子どもや保護者の意向に応えていく必要があると考え、学校選択制の制度化と指定外就学の基準の拡大を方向性とする就学制度の改善を行うこととした。

・本市の学校選択制の特色の一つは、子どもや保護者に対して、通学区域の学校には、必ず入学できるという安心感を確保したうえで、通学区域外の学校を選択する場合、希望順位を示して複数の学校を選べるので、1校だけしか選べない東京都各区などの学校選択制と比べ、子どもや保護者の選択の自由を高めることができる。この点は、自分の行きたい学校に行くことができるという、学校選択制のメリットにとって重要なポイントである。

・また、学校選択の理由として顕著に見受けられる、通学区域の学校よりも通学距離の近い学校、兄姉の在籍校も、通学区域の学校と同様に優先とすることを可能にし、児童生徒・保護者の意向に一層柔軟に対応できる点も特色である。

・さらに、小中学校の接続を考慮することで、小学校段階で、進学中学校が異なる通学区域外の小学校を選択した場合であっても、友人関係の継続を考慮し、中学校の学校選択の際に、通学区域外の小学校の進学中学校への就学を優先することもできるとしている。

・これらは、学校選択制において先行している他都市の事例に学びつつ、不十分な点も検討し、教育委員会としてどのように就学制度の改善を図っていくべきか、教育委員の間で議論を積み重ねた結果、独自の制度設計に到達したものである。全ての目的は、大阪の子どもたちの最善の利益を図り、子どもや保護者の意向に応えていくことにある。

・子どもや保護者は、学校を選択する機会を持つことで、学校教育に対して深い関心を持つようになる。そしてなにより、自分の行きたい学校へ行くことができること自体が学校選択制の大きなメリットである。

・学校側にとっても、学校選択制により、子どもや保護者の意向に応えるための教育の充実や特色ある学校づくりが進められ、学校教育の活性化が図られるというメリットがある。また、学校が積極的に情報発信することにより、開かれた学校づくりが進むと考えている。

・本市の学校選択制は、通学区域に居住する児童生徒については、優先扱いとし、必ず通学区域の学校に入学できるよう保障している。

・今後、市内各区の区長が、教育委員会が策定した「就学制度の改善について」の制度内容を子どもや保護者に周知し、保護者の方々の理解を得たうえで、幅広く意見を汲み取っていただき、区の実情に即した方針案を策定していただくことになっており、教育委員会としても区長と十分に連携・協力してまいりたい。