「現在の為替状況をどう捉えるのか?」という分析は専門家にお任せします。
しかし経営者の感覚として一つ言えるのは、超円安よりは余程マシだという事です。

ただそもそも、欧米各国の不安定な経済状況、発展途上国の急激な経済成長と政治体制の乖離などを考えた時、こういう事態に陥る前に、真に世界経済を先導しなければならないのは日本であったはずだという思いが消えません。
マネーの暴走を招いている金融至上主義のツケがやってきていると思います。
ライブドアやヒルズ族が持て囃された時期にしても然りです。人がつくったシステムは必ず矛盾が生じます。

矛盾に気付いていても躊躇無く入っていける人間が、ここ最近の勝ち組と呼ばれる人の特徴でした。
しかし本当の勝ち組は、自らが多くのリスクを踏んで市場開拓している人です。
仕事というものの本質は全く変わっておりません。本当の勝ち組はそれを掴んでいる人です。
日本は、モノづくりという価値観に改めて身を置き考え直す時期に来たと思います。
実際にこの度の大震災でも、地震そのものによる建物の被害は微々たるものでした。日本のモノづくりはやはり素晴らしい。
「手を込めれば心も籠る」という、人を常に想い遣る精神を持つ日本人のモノづくりから、この国の経済を立て直すべきでしょう。

最後に「現在の超円高では、海外でなければ生き残れない」という意見について。
確かにその通りです。しかしながら、中小企業が安易に発展途上国に進出すると、先述したように政治がまだ追いついていない。リスクがまだまだ高い発展途上国に行くのであれば、その国の歴史と、日本人との価値観の違いをしっかりと見極めてからにするべきだと考えます。