ドラマ「舟を編む〜私、辞書つくります」リスペクト企画


1989年(平成元年)、私が中学2年生の時に、3分間スピーチ用に書いた作文です。




「あなたならどう考える?」



「国語辞典はどういうものですか」

と尋ねたら、あなたはどう答えますか。

「そりゃあ、意味を調べるものだ」

と答える人がほとんどだと思います。これは私もそう答えるでしょう。では

「国語辞典の意味はあっているでしょうか」

と尋ねたらあなたはどう答えますか。

「そりゃあ、あっていると思う」

と答える人がほぼ全員でしょう。では、本当に国語辞典の意味はあっているのでしょうか。

国語辞典は皆さんもご存知の通り、色々な学者が書いています。したがって、一人ひとり考え方が違うように、書いてあることが異なるのです。


ここに2冊の国語辞典があります。一つめはS堂の国語辞典、2つめはK書店の国語辞典です。では、この2冊を使って「盲」(めくら)を調べてみて、そこにどういう違いがあるのか調べてみましょう。


まずS堂は、

めくら=目が見えないこと(人)。

と書いてありました。K書店の方は、

めくら=①目が見えないこと(人)。

②文字が読めないこと(人)。

と書いてありました。


さて、違いは分かりましたか。K書店の方には、「②文字が読めないこと(人)。」と書いてあります。これは目が見えない人は文字が読めないと言っているのと同じことです。それは違うと思います。目の見えない人はそれなりに点字という特殊な文字を使っています。という言葉。この文字を使いさえすれば、文字を読むこともできるのです。したがって「②文字が読めないこと(人)。」は違うのです。


このように国語辞典には違うこと、もしくはおかしいなということはあり得ると思うんです。そういう違いを探してみてはいかがでしょうか。


本当言うと、私も国語辞典の意味は合っていると思っていました。でも、中学1年生の国語の先生にこのことを伺って、違いがあるのかを調べてみました。そうしているうちに先ほど例えたように違いがあることに気づき、びっくりました。今はその先生は他の学校へ行かれているのですが、今でもその先生には感謝しています。良いことを学びました。


最後に、完全な国語辞典はありません。このことを覚えておいて欲しいです。








2024年、みんなと共に。