衆議院災害対策特別委員会で30分間の質問をしました。
平成12年3月、北アルプス大日岳頂上付近で大規模な雪庇の崩落に遭遇し、旧文部省登山研究所主催の大学山岳部リーダー冬山研修会に参加していた当時、東京都立大学2年内藤三恭司(さくじ)さん、神戸大学2年溝上国秀さんのお二人が亡くなるという痛ましい事故が発生しました。
 富山地裁での裁判で国側が敗訴し、和解を経て、安全検討会にて検討がなされました。このような事故が二度と繰り返されず、一日も早い安心・安全な冬山研修会が再開されることを願い質問をしました。

村井宗明の質問内容
 事故直後から裁判の終結までの間、事故について国側は「過失はなく、不可抗力」と主張し、原告(遺族)側は「雪庇を認識し得たのに不注意で調査検討を怠った」と主張しました。第一審の富山地裁での国側の敗訴とその後の謝罪と和解を受けて、現在、過失はあったと考えるか、なかったと考えるか?

文部科学省側の回答
 本件訴訟については、第一審での敗訴の後に、和解をしました。和解によって、過失があったのかなかったのか争わず、和解金を支払い、遺族への謝罪をしました。そのため、国に過失があったのかどうかのお答えを差し控えさせていただきます。

村井宗明の質問内容
 過失を認めずに、和解で損害賠償のお金を支払うのはおかしい話ではないですか?認めなければ何に謝罪をしたのですか?事故原因を分析しなくていいのですか?

文部科学省側の回答
 第一審での国側の敗訴の後に、不服のため控訴審をおこないました。その後、裁判長からの和解案を受け入れたものでございます。その和解内容に、和解金の支払いと謝罪という条件が盛り込まれていました。

 文部科学省は、国の過失があったかどうかや原因究明の必要性などには触れませんでした。しかし、その過失を認めずに謝罪をしたという事は、裁判所に言われて心のこもっていない謝罪をしたということ、つまりは、遺族の望んでいるものとは異なるという事ではないでしょうか。また、事前に報告書などの資料等を見、さらに答弁を聞いていると、事故原因を分析せずに、冬山の登山研修会を再開することに対して、強い不安を感じています。
 終了後、国会質問を膨張していた内藤さんのご遺族は、「要するにうやむやにしてもいいんだと取れるような言葉があり、国の常識と一般常識とかけ離れているのがわかった」と述べられました。