昨日、安倍総理が辞意を表明されました。7年8カ月の長きに渡り、この国のトップとして、内政も外交も力強くリードして頂きました。今後、政権について様々な評価がなされるものと思いますが、私としては、病気を抱えながら、総理の重責を長きに渡り果たされたことについて、敬意と感謝しかありません。安倍総理が、やりきれなかった課題に、我々世代でしっかりと筋道をつけていかなくてはならないと、改めて自身の責任を強く感じました。

 

 その上で、今後行われることになる総裁選挙についてです。総裁選挙について、一部報道では、「党員・党友らの直接投票は行わず、国会議員らの投票で決める両院議員総会で選ぶ方向」とされています。

 

 しかしながら、今般行われる総裁選挙は、自由民主党党則第6条第2項本則のとおり、全国の党員が党員投票により意思表示できる公選により実施すべきです。理由は、以下の通りです。

 

1.内閣総理大臣は、国民の信頼と負託なしに、その責務を果たすことは出来ません。今般選任される総裁は、国政選挙を経ずに、内閣総理大臣に就任するため、より多くの国民の理解と支持を得るためには、全ての党員に開かれた透明な選出手続の下で、候補者が充実した政策討議を行い、幅広い層が参加して総裁を選任することが不可欠です。

 

2.特に、今般行われる総裁の選任は、史上最長の長期政権の後継を決める、全国民が注目する重要なものです。国民が自由民主党に向ける視線が非常に厳しいことを踏まえれば、両院議員総会によってではなく、国民の政治不信を払拭できるような開かれた総裁選挙の実施が不可欠です。

 

3.自由民主党党則第6条第2項本則は、「総裁が任期中に欠けた場合には、原則として、前項の規定により後任の総裁を公選する」としており、総理・総裁が任期途中に退任した場合であっても、原則的には公選を行うこととしています。

その上で、「ただし、特に緊急を要するとき」は、党大会に代わり両院議員総会における選任を認めていますが、①当面の緊急課題である新型コロナウイルス感染症への対応については8月28日(金)に安倍総理が公表済であること、②後任選任まで安倍総理が職務を継続する予定であること、③国会の開会中ではないこと、④東京都知事選など公職選挙は通常どおり実施されていること、⑤党員投票は郵送で行われるため感染拡大の恐れは低いことを踏まえると、ただし書を適用する状況にはありません。

 

4.もちろん、新型コロナウイルス感染症は収束しておらず、感染拡大防止に配慮しつつ総裁選を実施する必要があることは言うまでもありません。コロナ禍の中でも、党内各部署でオンライン会議の開催等を通じて、地方と丁寧に対話を進めてきた経験や実績をもとに、今回の総裁選においても、討論のデジタル化や演説会・討論会の会場での感染防止策の徹底等の工夫を行えば、ウィズコロナの中でも充実した政策討議を行うことは可能です。

 

 

写真は、以前に安倍総理に政策の提言を行った際の一コマ。