昨日、さいたま市立病院の旧病棟の有効活用について、埼玉県・さいたま市に提言をさせて頂きました。

 新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、埼玉県においても、外出自粛要請などの感染拡大防止策や、県内企業を下支えするための経済対策など、幅広くご対応頂いておりますが、目下最大の課題は、感染者数拡大に伴う、医療提供体制の維持です。 

 特に、いわゆる「疑い患者」の方が、各地域の病院に相当数分散的に存在する状況が、医療従事者の皆さんの献身的なご努力にも関わらず、医療の効率性を低下させると共に、院内感染のリスクを高めています。

 こうした状況に対して、埼玉県はじめ関係者の皆さんも、(1)PCR検査の能力向上、(2)PPE(個人防護服)の確保、(3)陽性患者の受入先確保など、既に大変なご尽力を頂いています。

 その上で、今後感染者数が更に増加する可能性も踏まえ、県内の患者数が、さいたま市をはじめ県南地域に多く、当該地域の医療提供体制を抜本的に拡充することが緊急的課題であることから、今年3月まで稼働をしていた、さいたま市立病院旧病棟を有効活用すべきです。

 具体的には、「疑い患者」を、PCR検査結果が判明するまでの間入院させる専門病院とすることを念頭に、新型インフルエンザ等対策特別措置法第48条に基づく「臨時の医療施設」を、埼玉県には一日も早く開設して頂きたいと思います。(そうすることで、「疑い患者」が地域の病院に入院する期間を短くすることが出来るようになります。)

 その際、医療従事者の確保が最大の課題となるため、県がリーダーシップをとって、県内の各病院や医師会・看護協会等の皆さんにもご協力を頂かなくてはなりません。

 今後は、県・市の皆さんを中心に、旧病棟を再活用するための課題の整理を行って頂いた上で、そうした課題を迅速に乗り越える必要がありますが、県民の命を守るために、「オール埼玉」で最大限のご尽力をお願いしたいと存じます。

 (今日の埼玉新聞1面です。要請の模様が記事になっています。)