6月21日の毎日新聞「政治プレミア」に記事が掲載されました。 
 村井が超党派で取り組んできた『国会改革』についてです。
 ぜひご一読ください。

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「平成のうちに」国会改革 着実に進んでいる

 超党派の「平成のうちに」衆議院改革実現会議で国会改革に取り組んできた。平成のうちにということで「報告書などのペーパーレス化」「質問主意書の取り扱いの見直し」「衆議院ICT(情報通信技術)活用検討調査費の計上」などが実現した。

 小さいことのようでいて、それぞれに意味がある。ペーパーレス化は段階があるが、報告書は最初のきっかけになった。質問主意書をペーパーレス化する動きにもつながった。

 質問主意書の取り扱いは内閣への転送に関し、省庁との事前調整の日数が2日から3日になった。質問主意書への対応は各省庁に大きな負担になっているため、霞が関の働き方改革にとってはとても大きいことだ。

ウイングを広げた
 国会改革は民主主義のルールを決める話だから、野党と一緒に超党派で取り組むことは当然だと思う。永田町だけで閉じていてもいけない。

 私は今回の「平成のうちに」の活動ではじめて連合本部の建物に入った。神津里季生会長ら連合幹部にも会い、率直な意見交換をすることができた。

 国会改革は国民的な議論になってはじめて実現できるものだ。野党と一緒に取り組んだことでウイングが広がったことは大きかったと思う。

 国会改革については本音で語り合うと野党議員とも共通するところが多い。立憲民主党がまとめた国会改革の提言も共有できる部分が非常に多い。

 ただ、その共有できる部分も日々の国会の動きや政局と重なってきた時に、なかなか前に進まない。野党議員のみなさんは志の高い方も多い。大所高所では今こそやらなければという思いは共有できている。しかしその高い志がなかなか形になっていかないということは感じた。

 だから、小さなことでもいいから与野党で合意するという成功体験を積み上げることに意味があると思ってやってきた。

国会の生産性を高める
 我々は「三つの道路」という言い方をしている。国会には「国家ビジョン」「政策」「行政監視」という三つの役割があるのに道は一つしかない。政権にスキャンダル、疑惑があると国会すべてがスキャンダル一色になり、予算委員会もすべてスキャンダル追及だけになってしまう。

 そうした状況は正常ではないし、国会の役割を果たせていない。

 だから、党首討論のように各政党がビジョンをぶつけ合う場。予算や法律を地道に検証する予算委員会や各委員会。そしてスキャンダルなどは期限を切って結論を出すことを前提とした特別調査会。こうした三つの場を国会が常に持っていることで、生産性の高い国会を作っていくことが一番だと思っている。

 また、首相や閣僚がずっと国会に出席していて、外交はどうなるのか、本当に各省庁のガバナンスができるのか。与野党がフェアで民主的な形でこの問題を解決していかなければならない。

コップに水はたまった
 よく「政治は未完である」と言われるけれども、統治機構改革も終わりはないと思う。

 1990年代、2000年代の初頭に「決められない政治」は良くないと言われ、内閣機能が強化されて衆院の小選挙区制度も導入された。ところが最近は官邸が強くなりすぎたと言われる。ことほどさように統治機構のあるべき姿というのは状況によって変わってくる。完璧な仕組みというものはない。課題は常にある。

 それでも今の国会のあり方については、多くの国民はもっとしっかりしてほしいと思っているし、政治不信の元凶になっている面も否定できない。

 国会改革という言葉がこれだけ世の中に広がったこと自体、私はこの1年間の大きな成果だと思っている。地元でも「国会改革を頑張ってください」という声を予想以上にかけられる。

 税や社会保障に比べると身近なテーマではないかもしれない。しかしここまで広がってきたということ自体、今後に期待が持てると思う。

 コップの水がここまで来た。もちろん足りない部分はあるけれども、足らざる部分を過度に強調するのではなく、ここまでたまってきたというところをぜひ国民の皆さんと共有したい。