冬の雷電

冷えつのる風窓を打つ雪光り符号を砕く冬の雷電

雷光を破り飛び込み来し符号満船帰港我が疑わず

夜の視野出で入る船の灯に浮かぶ雲の象は友の横顔

パラアンカー入れ支え中ブリッジの窓を流るる飛沫に真向かう

☆雷電とは雷と稲妻のことである。無線の符号から雷を読み取った父は,何を感じたのだろう。

    3首目に雲の象を友の横顔と表現しているのは,符号を発信した船に友が乗っていたのかもしれない。

    今回の歌はとても難しい。父は何を表現したかったのだろう。