西回り
    黒海航路
七七四〇トン(貨物)
    マラッカ海峡

張りつめて水路を見張る航海士空の茜に向かう船列

情報の受信忙しく身動きのならぬ通信卓の夕映え

波低く光る速力僚船の球状船首紺碧を航く

手を振れば睫毛に憩う船の艫かの日の丸も孤帆の靡き

争乱の及ぶ懸念の航路筋甲板に巨大な日の丸を画く

☆茜の空,紺碧の海。マラッカ海峡の美しさが想像される。その一方で,かなり不安な,寂しい思いをしたのだろうか。日の丸の旗に何かを祈ったのだろう。

    今日は父のふるさと,気仙沼へ。あいにくの雨。父は,何を思うのだろうか。