蛍火の初恋
高校3年間のかけがえのない思ひ出
それは大量の課題、小学生なみの宅習記録に逆らうように2人で駅まで歩いた黄昏。
追いついてきたスクールバスから注がれる冷たい視線も気にせずに手を繋いだ。
夕陽が魚野川をキラキラ撫でて
まぶしそうに川面に視線を移すあなたが凛々しかった。
私、泣き出しそうなくらいうれしくてずっとその横顔を見つめていた。
蛍火のような微かな時間が
ススキのように秋風に揺れた。
黄昏に頬を染めたあの日は戻って来ない。
指導室に呼ばれた翌日、あなたは高校を辞めた。
わたしの初恋が潰えた(ついえた)瞬間だった。
魚野の川面は今日も何もなかったかのように静かに流れる。
わたし、夢を見ていたんだ。
あなたがずっとそばにいてくれる夢・・・
夕陽を見るとあの日がよみがえる。
それはかけがえのない永遠の思ひで。
黄昏に何度あなたの名前を呼んだことだろう。
こんなに寂しい夕暮れさえ、まるで何もなかったかのように明日を連れてくる。
だから・・・私もう泣かない!
いつかあなたに会える日が来ると信じて
まっすぐに未来を駆け抜けて行く!
私の思いが時空を突き抜けあの黄昏時に届くまで。
あなたもどこかでこの夕陽を見ているかもしれない。
監督


