論文や志望動機書の指導が始まっている。この時期がくると一人の卒業生を思い出す。その生徒はセンター試験数学で段ずれを起こして意中の公立が非常に厳しくなっていた。担任は「無理』と言ったそうだ。しかしこの子はあきらめないで本試験の論文に賭けて1月にうちに入会してきた。監督はこの生徒に1か月で数万字文章を書かせた。そして赤をいっぱい入れて毎回ボロボロにコメントをした。運動部で鍛えられていたこの生徒は監督が口を開くと必ず席を立ってそばに来て直立不動でひたすら聞いた。ある週末の午前、窓から差し込む光にこの娘の目がキラキラ輝いていた。実は悔しくて悲しくて不安で大粒の涙が目からこぼれ落ちる寸前だったのだ。監督は合格させるつもりだったから「泣いている場合か!」と叱ろうと思ったが、頬を伝う涙をみて声が出なくなってしまった。もらい泣きしていたんだ。その瞬間、この生徒と絆のようなものが通った。

 

あれから5年過ぎた。昨晩、急に思い出して「どうしてるの?元気かな?」とメールをいれた。1分もしないうちに返事が来た。

 

「○○です!ご連絡いただけて嬉しいです!

 

ご無沙汰してます。就職が決まった段階で、報告をしに行かずすみませんでした🙇‍♀️

 

昨年度の新潟県の教員採用試験に合格して、今は▽▽市の中学校で養護教諭として働いています!

 

小さい学校なので、元気に毎日楽しく過ごすことができています!

 

監督はお変わりありませんか?」

 

監督は即返事をした。

「○○へ 

それは良かった。おめでとう。目標をしっかり遂げたね。○○が18の時に思い描いた通りの資格と仕事と職場を強い目的意識と努力で手にしたわけだから立派だよ。経験と苦労と試行錯誤を積み重ねて立派な養護教師になるのだ。成長を遂げるのだ。もう1回おめでとう。」

2023年9月吉日

レインボーランゲ―ジハウス

監督

 

苦労した分きっと幾人も救えるいい「保健室の先生」になるに決まっている!

 

 


レインボーランゲ―ジハウス

塾部門進学塾アップリフト 監督