あの子は昨日の夜、こっちのメールを見て即返信してくれていたんだ。
「こんばんわ。お返事ありがとう。今日6時○分着の上り電車に乗っているから六日町駅で会わない? 良かったら返信ください。途中下車するから!」
「えーっ! いきなり会わない?!」
あと30分で電車が六日町に着く。
「ああ…どうしよう? 慌てるんじゃない。 早く返事をしないと」
全く余裕がなくいまま急いで返信をした。喉がカラカラになっていた。
ハンカチックな恋がはじまった瞬間だった。
今思うと最初からあの子にびびっていたのかもしれない・・・
もうすぐ電車が着く。ぎりぎりで返信したからあの子はもうメールに気づかないかも。
改札の真正面に立つのが怖いようで六高の女子が2、.3人たまっている横に立った。上り電車到着のアナウンスが流れると六高生が一気に改札に向かう。それにつられて改札の真正面に壁に沿って移動した。
高校入学以来、部活ばっかりの単調な日々がうそのよう。何とExcitingなんだろう。
電車がホームに入る。ほどなく人が改札で交錯する。
人影が目の前に押しよせてる。改札から出てくる人を目が必死で追いかけている。
ドキドキしている。
知らずしらずに右ポケットに手を入れていた。
ふかふかのハンカチがクスリ指のあたりに触れる。
あの子が洗って返してくれたハンカチだ。
「これがハンカチな恋なんだ!」
そう思った瞬間、目の前に笑顔で彼女が立っていた。
オフホワイトのチュニックにジーンズ 肩から結構大きなショルダーを一かけている。ペタンコサンダルが大人びて見えた。さすがに私服の長高だ!
「こんにちは! この間はハンカチどうもありがとう。
ぎりぎりでメールが来たからびっくりしちゃった。」
「ううううう・・・ごめん さっきメールをみたから・・」
「部活とかいろいろあったんじゃないの 無理をさせたかな?」
「いいいい・・や 今日はたまたまオフです・・」
年上でもないのに敬語になっている。
「時間いいの?」
「うん全然大丈夫」
「あたし今日お昼まともに食べてないから何かちょっと食べない?」
「ううううう・・うん」
駅の反対側に降りて17号沿いにでた。
長高女子と六高男子の初デートが始まっていた。
ふわふわゆらゆら
レインボーランゲージハウス 監督

