コロナで学校の休講が続いたころのお話

 

 このところWEB授業が続いていたが、今日久々にレインボーに呼んだ。薄紫のトレーナーを着てやってきた。この生徒は目標も今の課題も重々認識して、半年以上頑張ってきている。まだ道半ばだが、「きっと結果を出す日がやってくる。その日はそう遠くはない。」と感じ始めていると思う。急に点数が上がって「びっくりしました。」という生徒が多いが、この子は大器晩成型とでも言っておこうか。点数は依然パッとしないが、理解がしっかりできている。何より質問がいつも振るっている。例えば「監督、今教科書を見ていますけど、ここにあるSURFという単語をみていて、海のサーフィンを思い浮かべましたけど、なんで神奈川の海岸に今コロナの中、人が集まるんでしょうか?よくないですよね。」

「そうなんだよ。元々海を漂うという意味の単語なんだよ。それがWEBを・・・・」といったら、大きな声で「見て回る!」そう答えた。

 いろんな話も聞かせてくれる。万年筆のインクの話、地場のメーカーが売り出している緑が欲しいけれど高いと言う。おじいちゃんにもらっ万年筆を使い、ひいばあちゃんが使ったペンも見せてくれた。そして「コロナで学校が休みでしょ。何かしたくなって皮工芸をしてみました。素敵な手作りの財布が完成しました。」とうれしそうに話した。監督が版画の話をしたら親戚に版画の巨匠がいて、家にその作品が飾ってあるというから、「もらったのか」「いいえ。安くするからといわれて買ったみたいです。」といって2人で笑った。

 

 近頃、こういう子どもの方が珍しい。話せる。話題や興味が尽きない。それなりに小さな事でもいろいろ経験をしている。しょっちゅう往き来のある祖父母たちの影響も大きいと思う。この子は写真にも興味があるようだ。様々な機会に知的興味を育みながら、通学や運動部や塾通いといろいろ忙しいのだが、豊かなコミュニケーションの取れる若者に育ってほしいと願う。

 

 お勉強の事は心配いらない。いずれ勝てる。付属中であろうがどの教科であろうがうちの生徒には例外はいない。がんばれ!監督がついている。

 

 何より印象にあるのはこの写真

1度筆記用具を忘れたことがあった。帰り際、監督がとりやすいように揃えて返してお礼を言った。

監督