たまたま監督の大学時代の友人と連絡を取っていた。メールの最後に次男坊が東大に現役合格してびっくりしたと書いてあった。両親そろって信じられないそうだ。まぐれで通るような大学ではないし、監督も大学受験生を多く見てきているから気になってその友達に聞いてみた。

「なにか思い当たる理由はないか?」

友人は会社のデスクからだと思うが、5分とかからず返信をくれた。

結論から言うと“鉄の意志”の持ち主だそうだ。東大を受けると決めた高2の面談の日から絶対ぶれなかったそうだ。共通試験でこけて親が「おい大丈夫か?」と声をかけたら一言だけ「大丈夫です。任せて」と言ったそうだ。

 

 愛知県の名門高校(公立)で、その次男は高2の時に大きな転機があった。1年の頃、順位が250番前後で大きなショックを受けてそれから必死に頑張って2年後半で20位まで進めた。直後の担任との面談で遠慮がちに「名古屋大を目指します。」と言ったら「うちの高校で20番は東大に行って当然なんだ。ふざけるんじゃない!」と檄を飛ばされたそうだ。東大合格の直後、本人は「あの日の先生の言葉が大きな転機になった。2年の担任の先生にはとても感謝しています。」と親に語ったそうだ。監督は「素直ないい子だ。変なプライドがなくて良かった。先生は自分の高校のレベルを知っているから当然のごとく強く言ったのだと思うけれど、素直な次男坊の琴線にふれた。」と返信をした。

 

 30分ほどしてもう一回メールをくれて“部屋を片付けていて気づいたことが2つある、”と書いてある。一つは大量の自学ノート、そして科目別の多くの参考書と問題集だそうだ。残っているだけでもノートは50冊で実際は100を超えているだろう。ノートはぎっしり書き詰めているが、参考書類は全冊一切書き込み無しで、とてもきれいに使っていたそうだ。

 

 この点が非常に面白い。うちの生徒でTOPクラスはこれまで見ていてノートはしっかり書き、問題集は間違いについてはこまめに簡潔に書き込んでいるものが多かった。何冊か手元に残しているが中には問題集がとてもいい解説付きの参考書になっている生徒もいた。父親はその次男坊が高校3年間「こいつキャンパスノートを一体何冊買えば気が済むんだろうか」と思っていたそうだ。この生徒の学習法の根底は、ノートを使って自分流にまとめ、それから刷り込みを着実に仕上げていったのだろう。監督はこれまで抜群の進学(医学部はいても東大はいないが)を果たした生徒の親に必ずその理由がどこにあるか聞いてきた。必ずそれなりに理由があるが、大量のノートは初めてで興味深い答えだ。

 

 さて、できる子供の親に共通していることがある。ベタベタ張り付いて細かく干渉するという意味でなく、様々な変化 局面で親が子供と情報を共有していることだ。当たり前のことだろうが、その“当たり前”がなかなか難しい。親がしっかり見ている(やる)ことこそ教育の根幹なのだ。

 

 この次男にメッセージを送りたい。

今日はいい話を聞かせてもらった。 本当におめでとう! 大学で生涯の友人に出会うことを祈ります。私が君のお父さんに40年前出会って、家具一つ無い学生寮の6畳間で毎晩語り尽くしたように!

監督