小論を見て生徒にぼろぼろにいうんだよ。

「小学生みたいな表現をするな!」

「右隅をねらって打ち込めと問題に書いてあるのに、なんでわざわざ左を狙うような文章を書くの?」

「愚かさにも限度があるだろう!」

生徒の学校の方を指さし

「あの高校では当たり前かもしれないが、世間ではこの文章は通用しない。」

「なんという指導を学校で受けているんだ。​​​​​​その先生をレインボーに入会させろ!監督が指導してあげる!」

 

一方、褒めるときはめちゃくちゃ褒める。

「これは合格答案だ。何も言うことはない。素晴らしい!」

生徒がうれしそうな顔をするとこう続ける。

「これ監督は何回直したっけ?」

「4回目です。」

「あ そう。それじゃ実質監督が書いたみたいなものだね。」

「そうですね。」と生徒と笑う。

 

ひとりの生徒が泣いた。返却した原稿用紙を持ったまま頬をつたう涙を全く拭かなかった。そういう時、監督は無視するか、もっと強く言うのが常なのだが、あの日はもらい泣きして声が出なくなった。何とか声がでたが、目の前で泣きだした高3女子の気持ちを思いはかっていた。 本人が誰より挑む受験の厳しさを承知しているのだと。

 

その夜遅くメールが入っていてこう書いてあった。

「最後まであきらめずにがんばります。ここまで真剣に私を伸ばそうとしてくれる指導者に初めて出会いました。明日もよろしくお願いします。」

 

実は互いに涙目で数秒間静止したあと、何もなかったように話をつづけたが大きな変化を感じていた。生徒との間に一本線が通ったな。 信頼だな・・・

 

うちに来たからにはあきらめさせない。 本試験を獲りに行け!

心の中で炎をメラメラさせて上京するのだよ。いいな。

監督