初雪まじかの南魚沼 六日町

「もうすぐ雪ね」

「今年は降るのかなあ」

2人は銭がぶち公園の夕暮れ時にいた。

 

女子はいつもよりすこし疲れた様子でベンチに腰をおろした。

男子が覗き込むと泣いている。

「どうしたの?」

女子は何も言わずに男子の制服の袖を自分のほうに引いた。

 

卒業まで数か月

女子にとって精一杯のメッセージだった。

 

「時間がとまってほしい・・」 夕日に浮かんだ男子の影をしっかりと両足で押さえていた。

ちょうどその時、ふわふわした雪が女子の髪にまとわりついた。

 

「初雪だね」

「うん」

2人はただ雪を見つめていた。

監督