コロナ禍で世の中が変わっていく マスク越しの会話 スクリーンでしか会えない日常
匂いのない世界に入っていくような・・・
いい匂い 素敵な匂い 汗の匂い
苦労の匂い そして甘い匂い
目の前に座っている憧れのひとのほのかな香水の匂い
洗いたての清潔感溢れる石鹸の匂い・・・
あれは1年前の文化祭だった。
僕たちの模擬店に現れた白いトレーナーの女の子、その袖口がかけすぎたたこ焼きソースで汚れた。僕は慌ててくしゃくしゃの自分のハンカチを差し出した。
「これ借りてっていい?」 その娘はすこし微笑むような目でそう言った。
1週間後、きれいに洗って4つ折りにしてまるで新品のようなハンカチが同級生の女子経由で返ってきた。
うちの家のソフトナーのしつこい匂いと全然違うほのかな香りがした。
そう!「ハンカチックな恋」の始まりだった・・・・
監督

