うちの生徒でセンター試験リスニングにおいて過去に満点を取ったものが2人いた。その一人の高3男子のお話。

 

ある日のリスニング、問題をやらせて答えわせをしたら一人異様に点数が低い。確か28点かなんかだった。そこで監督は他の生徒の前でその生徒にむかって

「なんやこの点は?」と大声で問いただしたら

「監督が大体1番と5番は選ぶな 3番を選べと今日やる前に言ったじゃないですか!だから俺はおかしいなと思いつつも、監督の言うとおりにしただけです!」と苦しそうな表情で答えた。

他の生徒達は爆笑した。監督は慌てた。冷静な表情を取り繕いながら厳かにこう告げた。

「監督が悪かった。許してくれ!」

そしたらみんな更に笑った。それでは示しがつかないから苦し紛れにこう続けた。

「皆の者笑うでない! 自分を曲げてでも監督のいうことを信じる、この姿勢、つまりやなあ、監督の言うことなら何でも聞こうとするその一途さが尊い!師弟関係というのはこういうことを言うのやでー!お前たちは、自分の点数のために監督の指示を無視した。こいつ一人だけ真摯に聞いた。結果は最悪に終わったがこういう奴こそ最後は勝つんだ!」 

そういったら本人が1番笑った。

 

それから4か月後のセンター試験。なんとこの生徒はリスニングで満点をとった。その年のレインボー生の平均は38点だった。正直びっくりした。お祝いに3000円のクオカードを贈ったよ。

監督