長高の文系で3番だった。12月ころA判定が並ぶ模試結果をみてその娘に聞いた。

「英語は何点くらい欲しいの?」

下を向いてしばらく考えてぽつっと言った。

「1点でも多くとらせてください。」

ああ この生徒は受験がよくわかっているなあとつくづく感じた。そして東京に向かう2日前まで指導を続けた。

英語筆記とリスニングで230をとった。

もちろん難関国立に合格した。

 

監督の興味は1点だけだった。それを親に聞いた。

「小学生の頃どうやってお勉強を見ていましたか。」

お母さんはしばらく考えて答えてくれた。

「私は夜勤が多くてこの子の勉強はみてやれなかったです。主人(自営)は勉強を教えられるような人ではないけれど毎日この子が居間で宿題をするときそばについていたように思います。それとよく本をよんでやっていました。」

監督は生徒に言った。

「今回の合格は親のおかげだよ。おまえのその万全の学習習慣はすごい力なの! 大学に入ってからますます効いてくるから」