先日レインボーの駐車場にカラスが2羽とんできた。
「レインボーに入会して受験勉強をしたいのです!」
監督は入会書類を持ってきたかどうか尋ねたら、くちばしに挟んでいた。
「じゃあ,ちょっと見せて。」と言うか言わないかの瞬間、一羽の別の大きなカラスが飛んできた。
「俺もレインボーに入ろっかな!」
とからかうように舞う。その時、2羽の男子の方が言った。
「おまえの来る所ではない!真剣なものだけが集まるのだ!」
もう一匹、たぶん女子かなあ、
「そうよ。あんたみたいなカラスがレインボーに来たって、ろくな高校にいけるはずないじゃないの!」
そういった瞬間、男子の方が大きなカラスに体当たりした。監督はいきなり空中戦が始まったからびっくりした。
大きなカラスは体の優位性を活かして一瞬でその男子カラスを吹きとばし男子カラスはなんと地面に落下した。 カラスでもあういうふうに落ちるんだ。監督は助けにいこうかとさえ思ったんだよ。
そこからすごかった。女子のカラスがその瞬間を見逃さず側面から攻撃した。愛する人のため命を懸けたんだ。健気(けなげ)の一言に尽きる。あまりの体格差に女子カラスも大きく空中で泳ぐような状態になった。ただ大きなカラスも当然揺らいだ。そのすきに再び飛び上がった男子カラスが攻撃を再開した。
すごい音と「ギャーギャー」という鳴き声で三羽三つ巴の地面すれすれの空中戦が1分程続いた。ビデオにおさめたいくらいだった。カップルにとっては命がけだったと思う。特に男子カラスにとっては・・・。
監督はどうすることもできず、ただ手を握っておろおろするばかりだった。
両側から攻撃をされ体制が大きく崩れた大きな方のカラスが
「へえ! レインボーなんか入らねえよ。 コンビニの近くにある暗黒塾(あんこくじゅく)に行ってやらあ・・ ばーか」といって飛び去った。
あとには傷付いた2つの羽が落ちていた。大きな羽だった。
素晴らしい戦いだった。もちろん入会を認めよう。
うちの中学生たちにこの2羽の、特に女子カラスの羽の垢でも飲ましてやりたいくらいだ。ついでに六高生にも。
監督
「頑張って一緒に長高にいこうね!」
「うん!」
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