夕暮れの六日町西口 大きな2Fのガラス越しにレインボーに通うあの娘の横顔が見えた。きっと英語か数学の授業をうけているのね。
最近あの娘が急にきれいになったのは、この間の全統マークで突然、A判定を3つもとったからかも。
英語なんか私よりずっと下だったくせに急に学年TOP3に入っちゃった。
隣りに座る学年TOPの男子
気のない素振りしてあの娘の本当の目的はあの男子かもしれない。
なによ!あれ? 思わず2人で顔を見合わせて笑ったりして。あんな爆笑ばかりしているような塾でいい大学にいけるの?みんな8割と9割超えとかいってるけれど信じられない!
あの男子が好きだった。1年のときからずっと。2年の春、わたしと一緒の塾に入ると思ってた。あの男子はレインボーに行ったけれど、私は絶対諦めない。あの男子を私に振り向かせてみせる。だれがみたって私のほうが小顔だし下半身デブじゃないし可愛いに決まってる。友達はみんな「楽勝よ!」といってくれるもん。
でもよ!私から言い寄ったりしない。
偶然を装って駅の階段で待ったり、朝、改札であなたが出てくるのを見計らって一緒に出るの。
「おはよう!」としか言わないで・・・
今度のマークで絶対A判定を取ってやる。あの娘には負けたくないから。
でもね・・・私ときたらあまりトイレを使いたくない塾に通っているの。だから私、今週から塾に行くときは尿取りパットをして頑張るわ!



