写真屋さんの前の横断歩道で立ってる小学1年生の男の子がいた。車を停めて先に渡るよう促した。この子は監督の目を見て確認したあと、まずお辞儀をした。そして走ってわたって振り返り、またしっかり監督をみつめて深々とお辞儀をしてくれた。学校で「渡った後、運転手さんにお礼をしなさい。」と教えられているはずだ。 だからみんな大体渡った後お辞儀をする。 しかし、その挨拶が完全にコンビニ化してきている。 しないほうがましなような、相手も見ないでまるで体操のようなお辞儀。

だからこの1年生の坊やのご挨拶は新鮮だった。

 

監督はその時カメラやさんのご主人が戸を開けて立っていたから、

「ああ あそこのお孫さんだな。」とわかり、

その夜、原稿用紙と2Bの鉛筆で、ひらかなと送り仮名入りのお手紙を書いた。

 

「きのう、横断歩道で車をとめたおじさんです。おじさんは、あなたのしっかりした、そしてていねいなごあいさつがとてもうれしかったです。人におれいをすることはたいせつなことですね。ほんとうにりっぱなごあいさつでした。これからしっかりおべんきょうもがんばってください。」

 

この子が高学年なって、またいつかどこかの横断歩道で車を停めた時、彼の挨拶が依然として心のこもったしっかりしたものであることを願う。日本人の挨拶の極みはお辞儀 深々と頭を下げる、ここがポイントだ。何がおもてなしのこころだ。外国人観光客のおもてなしの前にまず、

日本の日本人の子供たちによる日本の未来ためのご挨拶だろう。

 

政治家も親も教師も、とくにコンビニ経営者諸君 よく認識してほしい。

挨拶という心のメッセージの大切さ、お辞儀という日本人の型を。

この国のいたるところに外国人が増えるまえに、しっかりしないと

一気に崩れるぞ 日本のお辞儀が、礼節が!

                                                       監督