「無理だから」と担任に志願変更を迫られた生徒が無事希望高校に合格してお母さんと挨拶に来られた。

「この子も頑張ったけれどお母さん、あなたがたも最後までぶれずによく踏ん張られましたよ。こちらも危ないと非常に懸念していました。ただここでブレてはろくな結果にならないと強く本人に言いきかせた。それにこの子はついてきた。この1年、親あてのレターにも電話にも、とにかくお宅は真っ先にご返事や連絡をくださった。ここも非常に大きかった・・・」

こう言ったら

「うちはもう監督を信じきっていました。この子が今日はこう叱られた、今日はこう褒めて下さったと毎回迎えの車の中で話してくれました。わたしはそれを聞いて監督に全面的について行こうと…」そう言われてお母さんは言葉が詰まった。見ると涙が溢れそうになった。

 

合格できてよかった。ここまで信用してもらってこどもを預けていただいているのにその期待に応えられなかったとしたら我々の存在意義を問われてしまう。

 

長高であれどこであれ、こちらが合格させ得ると見れば入会時点でいくら点数がたりなくとも必ず合格させてきた。しかしそれには本人の努力と親子ともどもレインボーの方針に対する認識が一致しているという事が必要なのだ。それがあるから厳しくやる。必要な力を徹底してつけさせる。この生徒も例外でなく特に12月から直前までその量だけでなく徹底して指導した。時々目が真ん丸になってびっくりしているのがわかるような日もあった。

 

受験直前の最後の授業で「これまでの確認試験は届いていないが、今の実力は入っている。科目によっては半分くらいの順位にきている。だから××と○○を気をつけてまだ時間がある。できる限り復習をしなさい。」といった。しかしそれはレインボーにしては非常に珍しいケースで普通は必要点数の10%以上を上回る内部の設定を全員クリアーさせて受けさせている。だからそうでないこの生徒の合格確度は低い。しかもこの生徒は敢えて私立も受けず自分を追い込んでいた。 だからよくやってくれたと思う。会場から真っ先にお父さんが電話をくださった。その時初めて話をしたが、お父さんがわざわざ電話をかけて下さったことで大きなメッセージを受け取ったとも思ったな。

 

今年も全員希望校に合格した。

そうはいってもこの生徒は危なかった。正直ほっとしている。

                                                      監督