六日町駅のホームで手を振る君が見えなくなった時はじめて雪がちらついていることに気づいた。
雪 雪 涙雪
電車の窓に映る自分が泣いている。
君もまだ駅のホームで下を向いたままかもしれない。
この別れを見ていたカラスが
「そんなにつらいならずっといっしょにいればいいのに。人間ってばかねえ」
「そうじゃないんだよ。 人間は俺たちとは違ってお勉強をしないと生きていけない生き物なんだよ」
「その割にはこの辺の子供たちはあまりお勉強しているようにはみえないけれど」
「だからあのカップルは別れるのだよ」
「え どういう意味?」
「女子は希望の大学の入って東京に行くんだ。」
「男子は?」
「知らない。行くとこがないんだろう。」
「そうかあ かわいそう・・・だけど自業自得ね。」
「オレたちカラスはいいね。」
そう言いながら2羽はキスをした。
涙のキスと微笑みのキス
人間とカラス
合格と不合格
天国と地獄
未来と現実
新しいページと 古いページ
そういう南魚沼の早春です。
監督


