昼の3時だ。
新幹線の浦佐駅のベンチの片隅で高校生カップルが抱き合っている。そこからほんの十メートル先のバス停には同じ高校の別のカップルが相合傘でバスを待つ。
監督は交通費が月額70万の予算で毎日顧客に会うため新幹線で全国へ出張をくり返した時期があった。しかし新幹線の駅で昼間から制服姿の高校生が抱き合っているのを見るのは今日が初めてだ。 さすがに南魚沼NO1の進学校だ。
タイトルの「晩秋の柿と浦佐駅で抱き合う高校生カップル」に戻そう。
誰もいないとはいえ昼間の新幹線の駅でベンチに座り抱き合う高校生カップルの幼さ。
もし彼らの頭上に鈴なりの柿の木があったらなあと想像してしまった。
時は晩秋、熟れに熟れた大きな真っ赤な渋柿が彼らの頭上におちるかもしれない。
その瞬間。「ギャーッ」といって2人は飛び上がる。
「世間」「昼:」「夜」「公」そして「私」を知ることになるかなあ。
監督の息子なら立てないくらい張り倒す。娘なら…やっぱり張り倒す。加減はするが。
「お父さんなんて大嫌い。何もわかっていない」と娘は大泣きするかもしれない。
そうなったらこう言い返そう。
「お前こそ何もわかっていない。プライドがないのか.。 不潔!」
こうも言うかもな。
「どうせ付き合うならもっとかっこいいのと付き合え!」 これは余計だな。
さかりのついたい犬でも常時警戒を怠らない。
成長を望む!
監督

