ある高校は2年の段階で100人以上が国公立を希望するという。そして3年の春になって模試を受ける時その一流大学の名前を堂々と記入し、E判定を受け取る。そして部活をつづけ勉強もせず夏になっても、ひどいのになると秋になっても同じ大学を書き続ける。

 

 ここに人柄はいいけれどお勉強は全国平均以下の男子がいた。やさしさに魅かれたのだろうか結構かわいくて頭のいい恋人がいた。秋の全統模試は相変わらずE判定まみれ・・ がっくり来ている男子に女子は包み込むようにやさしく、南魚沼市の銭淵公園で夕焼けを見ながら・・まるで詞をよむように言葉をかけた。

1度だけなら 許してあげる

行きたいでしょうよ 国立に

騙されましょう

もう少しの間だけ・・・

あなたの夢に

 

1度だけなら忘れてあげる

国立はあなたの夢だけど

辛いでしょうよ この判定じゃ

知らぬふりして

無かったことにしてあげる

 

1度だけなら夢見てあげる

たとえ春に泣こうとも

酔いしれましょう 今宵私も

好きなあなたの気まぐれに

 

ああ何と優しい女子なんだろう! 男子はこれを聞きながら下を向いてしまった。

もうすぐ別れがやってくるのだろうか・・・

きっと別れるな!                                      監督