少し肌寒い夕方 受験の話がまるで身の上話になっていた。
お互い帰りの電車を一本遅らせてはなしこんだ。
軽い気分で模試結果を見せあいながら
辛い思いをしないよう携帯を見て本音をごまかした。
お互い傷をなめあうつもりはなかったけれど、
「じゃあね」と別れて電車にのったらなみだがでてきちゃった。
こんな秋が来る前にもっと早く気づきたかった。
いくら話しても聞いてもらっても焦りは募るばかり
これまでの2年半、一体何を追いかけてきたんだろうか。
先のことは考えなかった部活の日々
模試結果の全国偏差値を見ても何も感じなかったのはなぜ?
余りにも知らなかった。自分のこと 受験のこと そして未来のこと
窓を開けて息を吸った。
夜空に広がる星を見上げると
また涙がでてきちゃう・・・
監督

