夜中の2時ころ携帯のバイブが響く。寝入る直前だったのに無理をして出た。

スクリーンの電話番号が国際電話だ。アメリカからだ。

「HELLO」

「何がハローよ。ちょっといい加減にしてよ。何あれ!昨日のブログ? いったいいつからお兄ちゃんが一人子になってるの?私はいったいどこに消えたっていううわけ。お兄ちゃんのブログはね、お母さんがベートーヴェンの親戚だとかとか、この間はノーベル迄親戚筋に当たるとか時々変なこと書いてるけどけど・・・まあいつも笑ってすませてきたけれど。今日のはどういうつもり。絶対冗談ではすませられへんよ!妹としては!・・・」

すごい剣幕で大きな声。

監督はタイミングを見計らって妹の機関銃のような声が止まった瞬間こう言った。

「百合ちゃん、許してくれ!冗談は良子さんにしてくれ。な!頼む! こうのとりだ。」

すると妹は

「お兄ちゃん、あたしのこと今まで1度も「ちゃん」なんかつけたことないよぉ。いつも呼び捨てやん」。それにその「こおのとり」ってどういう意味?」

「あ!まちがった。「こおのとり」でなく

「このとおり、わるかった ゆるしてくれ」というつもりがつい・・・」

すると妹が

「何をよしもと(新喜劇)みたいなこと言うてんのォ・・全く」 そういって笑っている。

そしてこう言うんだ。

「今、日本は夜中の2時でしょ。早く寝なさい。妹の夢でも見て!」

「うん。おやすみ ・・グシュン ウウウ」

「お兄ちゃん本当に泣いているのね。それ?」

「うん。」

「じゃあ許したげる。おやすみなさい。」

世界で1番の妹だな。やっぱり。

                                                       監督