ここ南魚沼に2つの高校がありともに多くの生徒が大学進学を果たす。両方とも自称進学校かもしれない。この2校の進学方針とその結果を考察すると興味深い「方針と結果」の関係が透けて見える。
一つは受験方針の全くない成り行き任せの高校。もう一つは20年にわたり一貫して変わらない受験方針のもと強固にやってきている高校だ。さて結果はどう出ているか。生徒の平均学力が入学地点で30%以上開いているから進学内容は違って当たり前なのだが双方を見比べると「方針」と「結果」の関係が興味深い。
「方針」というか受験戦略が全くないといって過言でない高校のほうは当然結果も出ないから論外だけど、そうかといって年々深刻なほど学力低下が起こって悲惨な結果になっているかと問われるとそうは言い切れない。ただ模試の学年平均もセンターの結果も全国平均以下であり当然そういうレベルで大学進学といっても三流私立が主流にならざるをえない。ここ5年徐々に学力劣化がひどくなっている様な気もするし国公立も15%程度の生徒しか入れないところまで落ちてきている。
もう片方はどうか。「入学初日から国立本試験まで「強固」で徹底した「受験戦略」を持ち、かたくなにそれを踏襲し続けたにかかわらず結果が出ず、定員割れが毎年続いている。公立でないならとっくにつぶれているだろう。生徒の平均学力も集まる生徒の入学段階の学力も当初から比べると10%以上下降していると思う。
それでは「方針」が無くてもあっても一緒なのかというのが今日のポイントだ。
答えはNOだ。後者の高校は方針と生徒の地力のミスマッチを解消する「新方針」をたてれば劇的に結果は変わるかもしれない。その新方針が立てられずにただ多くの生徒に一律に国立進学を課すことだけに終始してきたからこういうじり貧状態が続いている。教師までストレスがたまり他校の女子高生をホテルに連れこむ事件まで昨年起こしたくらいだ。
前者の「無方針」の高校は「方針」を明確に建てれば、近年この高校で続けた来た「何もしない」という事実上の「方針」に背く事となる。つまり新方針をもつということは大きい課題を背負い続けることになる。すなわち「学び」の雰囲気を変えていくということになるからでそれが明確になれば集まる生徒の質が変わっていくだう。もう一つの高校と同じように部活を制限することにもなり「お勉強NOT FISRST 部活 FIRST」でこれまで生徒が集まった高校だけに定員割れが起こるかもしれない。今でも定員割れすれすれだから。
基本方針は船で言うなら「行先の港」だ。どこにたどり着くかにより船のサイズも燃料も食料もクルーも地図の精度も搭載するGPSも変わってくる。勿論クルーのレベルも。すべては船長の決断だ。定年を控えるような年功で校長にたどり着く状況で改革も大航海もできはしない。いずれにせよ日本は大学教育の必要性がますます高まっていく。進学が進学校の最大の目標であることに変わりはない。事実上の義務教育における公立高校の最大の方針であることには疑う余地はないはずだ。
しかしながら南魚沼にある2つの高校は進学・受験という切り口で見るとその未来はあまりよく見えない。ここ南魚沼の子供の未来そのものなんだけれど・・
監督

