玄関で合格発表の報告を待っていた。定員オーバーした高校を受けた子供のことが気がかりな午後だった。4時半に電車から降りてレインボーに報告に来た。
「よかった。力は十分あったのだけど50人も定員オーバーだから少し心配していた。
いや少しどころでなくて中々報告にこないからとても心配していた。」
玄関先でにっこりして遠めに他の親と話をしている監督をみながら順番を待っていた。そして入ってきた。「おめでとう!」と言ってハグをして顔を見たら笑顔から一転うっすら涙が浮かんでいた。
何回も何回も厳しくいって都度努力を積み足してきた。3年間の直向きさの結果だな。
無理やり「レインボーのおかげです」と言わせたけれど本当は
「●〇子、おまえのおかげだよ!」
もうひとり 全然点数がたりない生徒
競争率が出た時点で担任は「無理だから志願変更をしろ」といった。
それも「志願変更は下にするのでなく上の高校にするものだ」といった。根拠などない。欠員が出ているからだろう。
当然本人は大混乱をきたした。
監督は「このまま受けろ。上に変えてもやっていけない。愚かな教師の話を聞くんじゃない。ここでぶれてどうするんだ!」
親の意向もぶれていなかったし1月に「必ず届かせる」と電話を入れた経緯もあった。その時たまたま父親がでた。それから2か月間、グループ、少人数、そして個人指導とたいへんな苦労もさせてきていた。しかし最後まで点数が届いていない状況でもあった。
本人は「〇×高以外は行きたくない。」そう言い切った。
実は受験直前、2科目は水準を完全に超えるところまで来ていた。当日数学が難しくみんな苦労した。それも幸いしたと思う。簡単なら差をあけられたと思う。国語は差がつかない。私立をかけていたから無理をさせられたのかもしれないがそこはハナから頭になかったと思う。
そして今日、会場からお父さんが電話をくださった。
「本当にもう・・おかげさまで・・・・」興奮が伝わった。
よくぶれずに踏ん張った。実はこの1年、お前に最も厳しく言った。「なんという愚かな答えを繰り返している!」と叱った。理屈の理解ができない限りいくらやってもダメなんだとも。うまくいかないことの方が多かったけれどそのこなした演習量は今年の生徒の中では1番の多さだ。お前の強い思いとその努力におめでとう。
ただ今回は幸運だったと思いなさい。大学受験だと全く通用しない。こういう修正は効かない。それを忘れるのじゃない!だからまた部活でお勉強をぐちゃぐちゃにすることのないように。今度はもう助けられないから。
監督

