愚かな生徒の変わり身の早い稚拙な対応のために監督の怒りは最上級になってると書いた。そこに ♬カッシーニのマリア様♪があらわれて監督を「迷える羊」状態に変換してくださり、そしてかわいい瞳の「エンジェル」状態まで怒りを昇華させてくださった。 

こうなるとサンタナのマリア マリアをききたくなってしまう。

 

振り返るに怒りのせいでここ1週間、物は落とすし、スリッパは床に引っかかるし、小銭入れから床にお金を全部おとすし、、国語の時間に子供の前で漢字を忘れるし、「今日は下半身がスース―するなあ・・」と思ったら、パンツをはくのを忘れるし、はがきに切手を間違って張って郵便局の親切な女性が雨の中「お客様57円しか切手がありません。」と大きな声で言われるし、靴下の右と左がちがったまま1日過ぎているし、2日連続で同じラーメンと同じチャーハンをまるで10年ぶりのように食べたし、レインボーンにおいてある大きなキティーちゃんのぬいぐるみが犬に見えるし・・・すべて怒りのせいだ。 

 

やはり人間は自らの精神状態を安定的かつ平静に保たねばならない。そういえば昨年怒りではないが、元部下が送ってくれた千葉産梨の箱を車に積もうとしていて、いつものことだが忙しいからあわてていたのかもしれないし、多分疲れていたのだろう、箱を後部席に放り込むや否や右手でドアをバシーとしめた。(自動開閉は嫌ってついていない)
どういうわけか・・・こんなことは初めてだけれど左手の親指がドア枠にかかったままだった。ドアがシャーとわずかに1秒程で閉まる直前「しまった」とおもったが遅かった。親指がきれいにドアにはさまれたままドアはきちんと閉まった。まったく抜けない。

「あー折れた・・だめだ!」とおもったがまあまあ落ち着いてドアノブをもってドアを開いて左手を抜いた。見るのがこわかったが指をみないわけにいかない。
スローモーションだと瞬間完全に親指の付け根の辺りはぺしゃんこに押されたように映るだろう。指を見ると何ともないが付け根の内と外にみたことにない位強いあとかたがのこっている。指は動く。動かしても骨はいたまない。

「ラッキー!折れてない!」そう思った。
そうなるといい性格をしているから痛みを感じなくなってきた。すぐに家に飛んで帰ってひやした。シップをまいて包帯を2Mほどまいてその上から軍手をして寝た。痛みが出ると即医者に行こうとおもったけれど何とか落ち着いている。
その24時間後。びっしりがっしりついていた押し型のようなものも消え痛みもない。ただ掌の肉がだるい、重い。でも全然よくなった。
大丈夫だ。ドアのゴムに救われた。角度もよかった。
幸運だったなあ・・・日頃の弛まない精進と生徒に対する思いやりとやさしい言葉の数々、それをきっと神様、仏さま、レインボー大明神様がお見届けになってけがを回避させていただいたのだろう。

 

こういう精神状態に至ったことを思いだした。

ようし!もっと生徒にやさしくしよう!やさしいことばで励まし続けよう。

「…さん。その調子ですよ。受験は絆が大切ね。団体戦だからみんなでがんばりましょう・・」

「レインボーに対してなめたことすると地獄に落ちますよ」とかそういう愛のあふるる言葉をかけつづけよう。

そして監督のことを生徒から「聖(セント)カントーク」と呼ばせよう!?

                                                      監督