横断歩道で小学生の男子が一人立っている。対向車の車が止まってくれた。男の子は大きく手を横に振って「先に行ってください。」
対向車はおとなしくそれに従った。
そこに監督の車が通りかかった。
男の子は同じように手を振って「先に行け」という。
監督は首を横に振ってハンドルを離して大きな動作で
「お前こそ先に渡れ!」
男の子は厳しい表情になってさらに何回も手を横に振って
「早く言ってよ! 先に行ってくれればいいんだから!」と言いたげ。
監督はあきらめない
今度は怖い顔を無理と作って口をパクパクさせて
「お前こそ先に渡れ!」
このやり取りを対向車線に来た次の車のドライバーがあきれてみている。
男の子はもう必死で手を振り続ける。
ここで監督のゲームは終わり。
車を動かした。そして横断歩道の真ん中辺りで子供をにらみつけたら
その男の子はニコニコして大きく今度は手のひらを見せて手を振っている。
いい子だ!冗談のわかる子供だ!お辞儀までしてくれた。
車がいなくなるまで渡るなといわれているのかなあ・・・・
どっちが安全かわからないけれど、この子は愛想のあるいい子だ!
大人に教えられて、くるっと回ってコンビニや銀行みたいに感謝の微塵もないお辞儀をする子供が多いがそれと少し違って自分があった。そこに意思が見えた。
監督

