この高校生はまだ未熟だけれど英語はレインボーで1番いいと思う。驚異的に伸びている。
色々要素があるが、時間が残されている今の時点でこのレベルに来たら、やればやるほどセンターで言う9割超えに近づく。もっともこいつの希望大学は全員9割とれるものが集るから戦いはこれからだ。他の科目との調整もありどこまで英語に時間をかけていけるかもカギだ。
学校を休んででも通ってくるから根性もある。
帰り際、「来週も模試があります。このところ文法は変わってきたと思います。」と言う。
「これだけ読めるようになったから文法なんかじゃなく長文読解に自信がついただろう。とにかくよくついてきた。この1年。」
めったに褒めない監督がそう言ったら
「これだけ単語が弱いととまだまだです。」とあっさり答えた。
「自信満々のお前にしては控えめだなあ。そういう1面もあったのかい?監督は意外だよ」と返したら
「いかに未熟かよくわかるようになりましたから。」といってはにかんだ。
監督は心の中で
「そうだ。その通りだ。未熟センサーがONになってきたな。」と思った。
つまり監督の大好きな言葉である
「愚かさ」を1230%は跳ね返す言葉が思わずこいつの口から出たんだ。
「未熟です!」という一言だ。
監督は嬉しかった。大きな声で
「じゃあ来週な ご苦労さん。今日やったところは難解だった。でもよく読めた。」といって送り出した。
「実るほど首を垂れる稲穂かな」
えらいよな、こいつの立ち位置は。どこからこの真剣さがくるのかな。
やっぱり高い目標を高校入学前にすでに決めてそれに向かってすすんでいるからだろうな。
また一人・・思い出に残る生徒に恵まれたと思う。
お勉強を真剣にする中で「未熟センサー」をONにできる子供は先々楽しみなんだ。
監督
東京イラストレーターズソサイエティ
絵にかいた座右の銘展より

