ヨットで太平洋横断するような命がけの冒険でなく、「たとえ話」として考えてみてくれ。
君が船で太平洋を横断してアメリカ西海岸は花のサンフランシスコに行きたいと夢見ている。船は結構しっかり装備の整ったいいものを親が買ってくれた。最新式の船だしコンピューターもデータベースもチャートもあるから何とか辿り着けると自分では思う。当然わくわく気分でアメリカのサンフランシスコ港にたどり着く日を夢見ている。
さあ、ここで大学受験の話となるんだが、君は一体、日本のどこの港から出航することができるのかなあ・・・太平洋に出るんだから横浜港とかその辺のドックから紙テープや紙吹雪を浴びて出港するとでもおもっているかい? 君のその最新鋭のヨットは今どこに停泊しているかな?
君達の船は若狭湾とか新潟港に停泊している。君は
「何かの間違いだ」とおもうだろう。
それを世間は
「こいつなんでわざわざ遠回りするんだろう? チャートがわかってるんだろうか!? なんでいま日本海にいるんだよ!いくら南魚沼でも冗談は良子さんにしろよ。ロシアのウラジオストック港にでもいくつもりなのかなあ?」
と考える。
つまりねえ、高校生になって大学受験を目指して一丁前の希望大学を目指しているのに中学基礎さえいい加減で学年の平均学力が全国平均以下というような高校生は、たとえばヨットの航海でたとえたら、君のヨットは新潟万代の桟橋に停泊しているのと同じだよ。君はまず、日本海を北上して青森まで行ってそこから太平洋に出てさらに南下しながら太平洋横断のメイン航路にたどり着かないといけない。君が太平洋に出るころには、同時に出航した普通の(まともな進学校)のsailerたちはもう最初の寄港地のホノルル港についている。そんな不利なレースを誰がするかい?
ここ南魚沼の迷門進学校の2つの高校の生徒たちは一部の上位のものを除いてほとんどは、ヨットの航海で例えるならば、日本海側から太平洋横断を目指すほど不利で遠回りな状況にあるということなんだ。南魚沼にはこの例がドンピシャの高校と船が横浜港に停泊しているものは数えるほどしかいない高校しかない。さらに悪いことに、船の装備がショートレースしか無理な生徒にも、画一的に、世界一周とかトップセイラーが軒並み出走するレースに参加させようとする高校があり年々参加するものが減り続けている。
これじゃ勝負にならないよ。大学受験は2年8か月のレースだけれど実は中学を含めた5年8か月の長い旅といえるんだ。少なくともそういう感覚が身に染みてわかっていないといけないんだ。いま日本海にいるというふうなこんなたとえ話で知らされるようではだめなんだ。
中学基礎のないものがまともな大学進学を目指すということは日本海側の港にわざわざ船をうかべて遥か彼方の太平洋の向こうのアメリカ大陸をめざすということに他ならないんだ。
一つ高校の方は、何もみんな同じ大学群に進学しなくてもいいけれど、普通のレベルの大学受験を目指すのであれば3年間、お勉強時間だけは絶対世間並みにしなくてはいけない。ほとんどの生徒は中学基礎を英数国と整えないといけない分、ハンディーをしょっているのだから。
一方、もう一つの方は自分の船の大きさをよく把握してそのスケールにあった目標にむかって操舵技術の修練の取り組むことが大切じゃないか。実際多くが私立に進んでいるんだから。
何もサンフランシスコ港でなくても八丈島でも佐渡島100往復でもいいんだよ!
自分で好きに決めるんだ!
だから一つの方は1日も早く太平洋にでること
もう一つの高校は自分の出たいレースを決めること
これでここ南魚沼の2つの迷門進学校生たちは幸せになるよ!
BON VOYAGE!
監督

