負けからの出発 あるKJ生

1年前の今頃、模試は校内80番程度だった。kjで80番程度ではろくなところにはいけない。

あれから1年、英数とも一桁の順位に伸ばした。

講師陣とこいつの3人で。

 

この間の土曜、「登校自習日」に歩いているところを車で通りすがりに見かけた。留まって送っていこうかと思ったがやめた。

何故か?

こいつのその孤高な歩きっぷりに感じ入るところがあったから。

友達とも交わらず、参考書も見ず、もちろんスマホも持たず・・・

ただ教科書や配りものを詰めた大きな、まるで家出をするかのようなカバンを無造作に肩にかけて歩く。歩道をにらみつけるかのようにぐいぐい進む。

 

最大限に面白くない青春だろう。息抜く暇もない、うっとうしい日々がつづいている。

その上自ら選んだこの孤独。

こいつのことを周りの奴は「変わっている」というのかもしれないな。

でも監督はそう思わないんだ。

何かがそうさせているんだよ。そう!およそ届きそうもない高い目標だ。日本1の難関大だ。

中学を卒業し、KJに入学する前にその目標を決めた。レインボーに来たのはオリエンテーションの帰りだった、あれから1年ちょっとが過ぎた。

 

あの日、監督は「こいつを鍛えよう」と思った。六高で200番から1番に駆け上がったお兄ちゃん同様、お前をKJでTOPにもっていこうと。

そして同時に本気でやれるのかどうかしばらく見ようとも思った。

 

早い段階で「あそこはあきらめよ」というつもりでいたんだが、それを言わずに1年が過ぎた。

もちろん成績は今でも不十分、判定はE判定とでるだろう。

だが「あきらめよ」はいったんお預けだ。

お前の歩く姿を見てもう少し一緒に走ってみようと思った。なぜなら

「ああ・・こいつは本気だ!」と感じたから。

その真剣さと直向きさは痛いほどわかっているから。

 

「最近英語は自信がでてきました。」と言った。反省が続いた1年間を超えてそのセリフが思わず出るところにすこしは前進があるのだろう。監督はお前の少し感じ始めた「自信」にA判定をつけておくよ。

 

負けから勝ちに転ずるきっかけを模試のたびごとに積み上げていけ。

勝ち続けることが大切なんだ。

 

この先、うまくいくかどうかわからない。けれど、これから残り1年8か月、これまでと同じように3人で進もう。厳しい戦いになるから覚悟を決めて・・・

 

それからこのブログをよむかもしれないから書いておくよ。

黙ってひたすらお前を信じて応援してくれている親に感謝を忘れるなよ。

お前のその孤高な戦いもそれがあるから成立しているんだ。

2年前、お兄ちゃんの受験の前夜だが、お父さんは寝られなかったそうだ。

親はそういうものさ。ありがたいんだよ。

お前流にいえば「ありがとう」の言葉より「合格」で示したいのかもしれないな。

それはわかっているよ。監督はね。

                        

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