親と全然話をしない高3の男子がいた。
ある日生徒に
「最近、お父ちゃんとなかよくやっているか。少しは話をするようになったか。それともあいかわらず無視か」
「いやこの頃少しですけれど会話をするようになりました。」
「そうか。それは良かった。お前の親だからな」
その生徒はしばらくだまってから
「あのー監督・・こないだ父の背中をみていて涙が出そうになりました。」
「なんでや?」
「いや 老けたなあ 白髪もめっきりふえたなあとおもうと悲しくなってきて・・・」
「そうか。お前がこれからしっかりしていかないとお父ちゃんの背中はますます小さくなっていくよ。」
そう言って授業に入った。
実は私はほろりと来ていた。
こいつはセンター試験で想定外の大崩れで、私立の本試験前に精神的に不安定になった。
受験がピークに入る1週間、そのお父ちゃんが会社を休んで東京について行った。
結局第1希望の私立に合格した。 本人は何もなかった様な顔をして合格を迎えたのかもしれないが、そうではない。親の恩を忘れずしっかり生きていってほしい。
監督

