今年、公立のいい大学に合格したのがいた。センターが終わって判定がD.
監督は「無理だから受けるな」と言ったような気がする。今までDで受けさせた記憶がないものねえ。3月に入っているし、私立か決まってお金もはらっているというのにこの娘はしつこくまだ複数狙うという。小論文が必要で今まで書いたこともないというから監督は小論文の指導までしたんだ。学校にもぎりぎりまで通って毎日のように小論文を書いたと母親が言っていたなあ。本人から「監督と学校の指導と全然違う!」などと言いながらもとにかく2週間ほど全ての機会を利用し取り組んだ。そして結果は逆転満塁ホームランだ。見事に合格を勝ち取った。朝9時1分に電話がかかって泣いて泣いて泣いて…何を話しているのか最初わからないくらいだった。声で誰かわかったが何用で電話をしてきたのかわからないくらい期待していなかった。カレンダーに合格発表と書いてあったけれど確率が低いから意識が薄れていた。
こういうことがあるんだなあ。最後までわからないなあ。このしつこさ、粘り、そして努力を朽ちずに続けられる精神力がこの娘の人生を変えた。脱帽だ!
合格発表の1週間ほど前、その生徒のお父さんが来てくれていろいろ話していた時、彼が
「お前いったんどこで何を学びたいんだよ。一体いくつ受けるんだいって笑ったんですけれど・・うちの娘はどこにいってももそれなりに何かしっかり見つけてやっていけるそういう面をもっている。だからは好きにしなさいと最後の結果が出るまで見守るつもりです。」とおっしゃってた。その時、監督はまさか受かるとは思っていなかったからだまって聞いていた。
今振り返るとこの時合格に着々と本人は近づいていたわけで親も何らかの期待を持っていたわけだ。つまり信じていたわけだ。娘の地力とある種の強運をね。
素晴らしいことだね。自分の子供をこういう局面で信じられるということは。
そうねえ。親子に脱帽だ!
真逆の親子にとってはうらやましいはなしだろうなあ・・・
我が息子よ! これを読むかもしれないから書いとくね。
あんたの受験のとき競争率が30倍を超えていたけれど全く信じて疑わなかった。
受かるとか受からないでなく
「好きにしていいよー」だからうちの方針は。
監督

