今夜もお勉強をしていた。 いつもの中3女子が
「点数が上がると友達が減るんですよねえ、監督」と聞くんだ。
「そんなこと言ったのは誰じゃあ!」
「監督があたしにそういったじゃないですか!」
「おうそうじゃった。そのとおりだ。」
「お前の点数が上がると2つのことが起こるんだ」
「なんですか?2つって」
「ひとつは出来の悪い友達がお前の点数の伸びをしってひがんではなれていく。つまり愚かな友達が減るんだ。そしてもう一つは監督の血圧が下がるんだ。」
両方ともいいことだよ。受験は個人戦だからな!
ところがこの女子は横の友達にやさしく声をかけているんだな。
「頑張って! 早くやってしまおうね」
だから監督は言ったんだ。
「励まさなくていい。時間が十分あるからゆっくりすればいいよ。あすになってもいいからといって友達ををますますおくれさせるんだ。」
するとその女子は、舌も乾かぬうちに横の友達にむかってこういったよ!
「ゆっくりすればいいよ。時間は一杯あるからね!」
いい子だ!
監督

