英美里ーちゃんが、その引き込まれそうな大きなブルーと緑かな、それがすこし入り混じった目を輝かせて監督の目の前に座っている。

 

「あ!そうか・・こういうことかあ!」

「するとここはこう読めばいいのですか」

「そうだね!」

「あ!わかったぁ・・なるほど 」

「じゃあもう一つ、これもよく出るから調べてみよう!これを引いて、全く別の意味が出ているから」

「はい!」

 

気持ちのいいくらいの返事が教室に響く。

なに!?!この素直さ、けなげさ、まるで初めて辞書を手にしたレインボーの小学6年生コースの子供のよう。 いやあいつらよりかわいい。一つの節目を迎えるたびに、監督が感動を覚える位のBODY LANGUAGEを織り交ぜてその喜びを表現してくれる。

「すごい!これまで全く気付いていなかったです。ずいぶんはっきりしました。」といいながら顔を上げた。その笑顔の新鮮さというか新品のノートの1ページのような輝き・・・思わずこちらが引きこまれそうだ。

 

このまま授業を重ねると驚異的な伸びを記録する。六高平均レベルから全国平均を超え、偏差値55程度をほどなく射程にいれ、実際は2回目の模試で偏差値60近くまで届くだろう。年末には最低でも150-160点、順当に行けば年明け10日間で難関レベルの仕上げを読み切り一気に180に迫るかもしれない。

絶対ミスをしないだろう。2度聞くこともないだろう。まるで感情を持ったAIのような何かを秘めている。

でも待てよ!ここまでできる英美里ーちゃんが何で今までこん成績でもたついていたの?  そもそもなぜ六高なの? そしてここまで頭にいい子がこうも素直に喜びを表出できるの? しかも1時間に何回も・・・

 

最初の授業からずっと感じる英美里ーちゃんに感じる「不思議」

「隠されている何か」・・怖いようなタイミングの良い反応、そういえば「レインボーのおかげです」という掟もまるで昔からずっと知っていたかのような態度で反応していたよ

 

見えない。すこしこわい。余りにもできすぎてこわい。

いや 考えすぎかなあ・・単に素敵で優秀な生徒ということかな、このレベルの生徒に出会ったことがないだけのことかな・・・

 

突然大きな結末がやってくるような、いや、考えすぎかなあ

そんなことがないことを願うしかないなあ。 まだ3時間だもの。

監督