「監督!」
「わ!エアン、帰ってきたの おかえり。」
「これはお土産です。」
「どうもありがとう。きれいな石だね。不思議・・重さがないのに実感できるよ。これなあに?」
「石のようにみえますが私の体内センサーと連動している素子のようなものです。」
「へーぇ・・すごい!」
「これがあればいつでも私を呼べます。」
「・・・・・ありがとう・・・・・とってもありがとう・・・」
今日は監督がエアンの背中をトントンした。

「どうだった?ご家族は元気だったかい?」
「おう!いや「ハイ!」元気でした。」
「エアンの星ではcommunicationはどうやってとるの? 言葉があるの? 声があるからお話しするのでしょ?」
「情報交換したければ synchronizationするだけです。だから声に出す必要はないのです。」
「でもエアン、声があるじゃないか。かわいい女子の声だよ!」
「細胞が共振できるので声に聞こえるだけです。男子の声にしましょうか?」
「いや、その声はとても素敵だよ。」

アンは嬉しそうに下を向いたかと思ったら突然顔を上げて
「監督!毎度ォ」と図太い声で叫んだ。
「おい エアン!冗談はよしこさんだよ。元のかわいい声に戻して!」
「おう!」と男の子の声で返事をかえした。
「おう」でなくて「ハイ」でしょ!

「ハイ」・・・
それそれ!やっぱりその声でなくっちゃ!!
                                   監督