「うーむ」な時間・・・監督の中学時代の音楽の授業

 監督が中学生の頃、クラスは45名、音楽の先生は産休で代理の若い女の先生だった。  ピアノがうまく、声もよく、「音楽って楽しいわよ」という感じが漂っていた。毎回、合唱をして歌を覚えさせられた。中学は声変わりの時期で歌いづらい者も多くなる。特に高音がでない。それでも歌わないといけない。
そういう中、監督たちは突然「うーむ」という歌唱法を思いついた。この「うーむ」をやれば、たとえ歌が何であろうともひたすら「うーむ」「うーむ」と低音で繰り返すだけだから対応できる。顎を下にひき、いかにも真剣に歌っているようにふるまいながら、実は「うーむ」とうなっているだけなのであった。
 監督達はこれにはまった。そのうち2人、3人、5人と男子が「うーむ」にはまっていった。その結果本当の歌より「うーむ」のほうが大きくなってしまった。女子は顔を見合わせて最初何が起こったのかつかめなかったようだ。監督達はより真剣な顔で「うーむ」を続ける。先生は怒った。わらいながら。あきれながら。でもなぐられなかったな。
「なにしてんのぉ? あんたら」といってくれた。

嗚呼・・・もう一回あの頃にもどってみたい。
みんなと一緒に「うーむ」を歌ってみたい。
                                        監督