「・・・になりたい」とか「・・大学に行きたい」とか特に六ちゃんたちは、自分の成績を横において平気で3年生になってから言う。しかし秋になるとそれが全く実現できないという現実を知ることとなる。今頃になって偏差値40台の驚異的な学力の低さの意味を実感できないものまででいる。いやそのほうが多いような気がする。
 若者は夢を持たねばならない。今こそ夢を持つ時だ。しかし、監督がいいたいのは一方通行の夢は「はかない夢」にすぎないといことだ。下手をすると「悪夢」にさえなり兼ねない。
 「一方通行の夢」とはどういうことか。それは「絶対かなわぬ夢」ということだよ。君の夢の実現には自分の起きているときの、昼間の努力が必要だ。勉強量さ。君の起きている時間帯での成績さ。これがあって初めて君の夢が叶うんだ。もし昼間の絶対的な努力があるのなら、18歳の君の夢は必ずといっていいほど叶う。昼間の努力の積み上げのみが夢に向かって突っ走るエンジンなのだ。そのエンジンのパワーが一定量を超えた時、君の夢が速度を上げて君の方に向かってくる。それを「正夢」といっていいのじゃないか。
 一人でも多くの六ちゃんたちに夢が君たちにむかって突っ走ってくるような体験ができることを切に願う。別の高校生だが今TOPスクールを目指しているものがいる。その子には今月になって確信が出てきたようだ。そばで見ていて突然盛り上がってきたようにも見えるが、すさまじい努力をしてきたことは疑いがない。3年間1日も休みなしで目標に向かってきている。調子が悪いときも「休むとついていけない」と学校に行ったという。きっとこの子には今夢が自分に向かって走ってきているのが実感できるのかもしれないな。
                                           監督