数年前、KJの女子が「医学部を狙おうかなあと思います」と言うから「なんで?」と聞くと「君の今の成績なら医学部を狙えるからそうしたほうがいいと学校の先生に言われました。」と言った。監督は叱り飛ばしたなあ。「点数で人の命と家族のきずなを一手に背負い込む医師の道を選んでやっていけるとでもおもうのか」「でも監督、結構点数で医学部を選ぶ人が多いのです。」と言った。この娘は結局、自分のやりたかった工業デザインの道に進んだ。
同じくKJの男子、世界保健機関で働きたいとう夢を実現するため医学部に行った。高校3年間レインボーでみっちり英会話の個人トレーニングを受けた。この先長い。英語とフランス語のマスター。医師免許取得、実務経験が5年とか何とか、その後、WHOの試験を受ける。ただあいつは必ず願いを成就する。国立医学部に現役合格し報告に来た日のあの澄んだ目を忘れない。志が全然ちがったからな。我々がみんなでおめでとうと何回も言うのが聞こえないかのように「僕はレインボーが好き。一杯勉強できました。みんなにそれを伝えたい。」と何度も言ってくれた。これ嘘じゃないよ。あれはいい医者になるぞ。優しい。優しい。優しい。意志が強くて優しい。もちろん頭脳明晰。とにかくいい奴だ。地方に行くともう村をあげて離さないような医者になるなあ。あーいい人材がまた世界へ流出するのかな。
今年看護師を目指している生徒が「人は死を避けられない。そこにかかわる仕事につきたい」といった。監督は「その動機は深いなあ。そういう思いで看護婦になりたいのなら正解だと思う。ただ死に直面する患者と寄り添う家族の前ではうかつにいえないよ。生きるために病院にきているのだから。そこはしっかり認識しておかないと」とだけいった。いい看護婦さんになるだろう。
監督は母親の介護をしていた関係で5年間365日大和雪国病院と八色苑に通った。一時期両親とも入院していたくらいで毎日2部屋を行ったり来たりした。集中治療室にいるときは1日4回通った。そのせいで病院とのかかわりが深くなり多くの医師・看護師と知り合いになった。だから看護婦はどういう人が向いているかよくわかる。監督ははっきり断言できる。この子はいい看護婦になる。患者にとっても家族にとっても。部屋に入ってきてくれた時みんなが感じられるやさしさと誠意がある。逆の看護師もいる。こういうとき患者たちは不幸だ。患者が気を使っていることを全く分からないから。自分が普通だと思っているから。だから患者と家族にはこの娘のような看護婦が必要だ。苦しみを共有できるやさしさと覚悟のある看護婦が。機嫌のいい時だけ親切な人間ではなく、いつも患者と家族の目を見つめてゆったり挨拶ができるから。絶対この子は受かってほしいなあ。病で苦しむ患者と家族の寄り添うため。それにしても雪国大和病院は、いい看護婦が多かった。
看護師の適性は学科試験だけではなく人そのものだ。年収(夜勤やシフトでいい条件とは言えない)や学力で看護師になるなんて論外だ。でも一般的にはそうなのかな。しかたないけれど・・・適性はどこでみるのだろうか?面接はよそ行きのいい顔をするから意味がない。文章を書かせればいい。アメリカの入試みたいに。
そもそも今の高校生は進路について誰からアドバイスをうけるのかなあ。まあうちの生徒と話しをすると殆どの子供たちは世の中のことも自分のことも分かっていない。親の影響力も希薄、teachers neither. だからネットや友人間の浅智恵で進路がきまっていく。これじゃだめでしょ。身近な大人がもっと介入して社会に出ていこうとする時に詳しく話し込んでやらないと。特に医療関係や教育関係は国家の大計なのだから。そう考えると上の3人は例外かもしれないな。みんなそうだといいのだけれどお話にならないほど稚拙なことを言うものもいるよ。かわいいというよりかわいそうだ。浅いから。答えがなくてもいいけれど考えが浅いのは良くない。それで判断して進学していくわけだから、自分の人生を十分検討した結果とは500%いえない。人生そんなに甘くない。
「いいくじを引くのでなくいい軸」を模索しなければ。とくに親や教師がガイドしてやらないと世の中知らない高3一人じゃ無理だ。18歳にして初めての最重要な人生の選択じゃないか!
数十時間誰かと詰めないでどうする!
これはpost itをイメージしたビデオだ。一杯post itつかって
人生の選択肢を考えなさい。音楽もいいぞ!
https://www.youtube.com/watch?v=pTeDLesRPes
監督
