続報をもとに追記:WBAが井上尚弥にアフマダリエフとの指名戦を指令、の件 | ボクシング・ダイアローグ

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13日(日本時間14日)にWBA[世界ボクシング協会]世界選手権委員会がスーパーバンタム級4団体統一王者 井上尚弥(大橋)と 1位/元WBAスーパー&IBF同級王者 ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)の両陣営に指名戦指令を通達した件で、同日中に続報的なニュースがあったので、それをもとに追記の形で投稿。

 

[指令の要点:交渉期間は30日間=7月14日(日本時間15日)まで/WBAの指名試合の期限は 9ヶ月→ 井上選手は昨年12月26日のマーロン・タパレス(比)戦でIBFと共にWBAスーパー王座を獲得しているため、今年の 9月25日(日本時間26日)がリミット/対戦合意に達しない or どちらかが契約拒否した場合は入札]

 

第一報の時点では、各メディアとも大橋ジム・大橋秀行会長の具体的なコメントには触れていなかったものの、続報ではだいぶ詳しい今後の意向を伝えており、それらによると…

 

「9月予定の次戦はほぼ内定、対戦相手も絞られており、このタイミングで指名戦と言われてもここからひっくり返せない。

 今回は指令に応じず、タイトルも返上はしない。

9月のあとのその次に指名試合をやってもいいが、それでもダメなら剥奪は仕方ないと尚弥とも話している」

とのこと。

そういう一方、サンスポやスポーツ報知などは、井上はスーパー王者のため過去の事例から指名試合の期限を18ヶ月に延長できることが見込まれ、大橋会長もその点をWBAに確認の上、可能なら延長を希望する意向&12月予定の次々戦でアフマダリエフと対戦する可能性はある…

 

統一王者に対するWBA特有の制度であるスーパー王者の井上は、18ヶ月以内に指名戦を行えば問題ないことがわかった… と報道。

 

とはいえ大橋会長は、WBAを先延ばしできたとしてもIBFやWBOも指名試合を指令してくる可能性が高いため、次々戦はIBF&WBO1位のサム・グッドマン(豪=IBFは挑戦者決定戦に勝ち、指名挑戦権を保持)とアフマダリエフどちらになるかはわからないとし、今後IBFが早期の指名戦を通達してきた場合は、IBFでも王座剥奪の可能性があることにも言及。

 

現状、暫くの間モンスターが指名試合に縛られずに済むのは、5月に指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)を片付けたWBCだけ、既に4団体を統一を完了しているため、あとは指名戦を主体に次から次へと防衛戦をこなすのみ、なのは当然としても…

 

やっぱり不自然さを感じるのは、このタイミングで指名戦の期限を持ち出し、指令を出して来たWBAの間の悪さ。

 

リミット9ヶ月の前提なのであれば、井上選手がネリ戦をクリアした直後とか、もっと余裕をもって通達できた筈。

 

それと、スーパー王者=期限を18ヶ月に延長できる特例があるのに9ヶ月の期限を基準に指令して来たあたりからするに、先送りは一部メディアが書いているほど簡単ではなさそうな気も。

 

ただ、今回の大橋会長の回答で、IBFからまだグッドマンとの指名戦の指令を受けていないことがハッキリしたのは、情報整理の上ではグッドニュース。

 

… なんですけど、グッドマンはモンスターから9月の対戦を直接オファーされたにもかかわらずこれをまさかの回避、7月に前哨戦を行うことを発表すると共に、井上選手には12月に挑戦したいと要望。

 

その影響でドヘニーが代役としてピックアップされる流れ=選択防衛戦になった(と報じられている)訳ですが… 

 

なんかこうなると、IBFの指令を見越して? 井上陣営が次戦の相手にグッドマンを選んだのが妙な雲行きの始まりだった感が強し。

 

( グッドマンじゃなくてバッドマン?)

 

しかも雰囲気からして、グッドマンはモンスターの返上もしくは剥奪を待ち、空位になるタイトルを狙う腹積もりなんじゃ?という感じもプンプンするので、余計に複雑な思いを禁じ得ず。

 

( イノウエを倒すのにもう一戦必要って…? あと一年ならまだ解るけど)

 

実際どうだったかはともかくとして、WBAがさっさとタイムリーに指令を出していたら、或いは井上サイドは9月の相手として初めからアフマダリエフと交渉していたのかも?と考えると、どうにも気分がよろしくありません。