【結果】東京ドーム4世界戦:モロニーvs武居由樹 井上拓真vs石田匠 ユーリ阿久井vs桑原拓 | ボクシング・ダイアローグ

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Prime Video Presents Live Boxing 8

5月6日:東京ドーム(東京都文京区)

 

4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、井上尚弥(大橋)vs  ルイス・ネリ(メキシコ)をメインとする東京ドーム興行のアンダーカードで行われた3世界戦の結果。

 

 

◇WBO世界バンタム級タイトルマッチ◇

 

王者

ジェイソン・モロニー

(33=豪:27勝19KO2敗)

vs

挑戦者5位

武居由樹

(27=大橋:8戦全勝全KO)

 

モロニーは18年10月の初挑戦でIBF王者 エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ:1期目王者時代)に判定、20年10月の2度目の挑戦でWBA&IBFバンタム級王者時代の井上尚弥選手に7ラウンドKOでそれぞれ敗退したものの、昨年5月の決定戦でビンセント・アストロラビオ(比)を判定で下し、モンスターが返上したWBO王座を獲得。

 

今年1月にサウル・サンチェス(米)に判定勝ちで初防衛、それ以来となるV2戦。

 

K-1王者からボクシングに転向、チャンスを求めて2戦前よりバンタムに転級した武居選手は、昨年12月にマリオ・ディアス(メキシコ)を2ラウンドで沈めて以来のリングで、初の世界挑戦。

 

結果は 武居選手が  3-0(117-110、116-111×2)の判定勝ちで新王者。

 

昨日・今日と動画サイトをあたってみたもののフルラウンドの映像が見つからず、ダイジェスト的なのを視聴しただけにつき大まかなことしかわかりませんが...

 

左ボディを主体に狙うサウスポーの武居選手に対し、ガードを固めて迎え討つモロニーは全体的に後手に回っていた印象。

 

武居選手は、ステップワークでこまめに位置を変えつつ巧く当て、攻勢点&ヒット数ともに確実に上回り、7ポイント差も5ポイント差も妥当だった感。

 

(※武居選手は 2ラウンドにローブローで減点1)

 

デビューからの連続KOはストップしたながらも、フルに12ラウンド戦い巧者モロニーを下しての戴冠は、ガツンと一発決めてのKO勝ちより価値があるようにも思います。

 

とにもかくにも、武居選手の勝利[日本のジム所属選手として100人目の世界王者]で、バンタム級の世界タイトルは4団体すべてを日本人が独占。

 

海外の選手に比べ対戦交渉がしやすそう?に感じられることもあり、自ずと統一戦への期待が膨らむところですが...

 

4人の王者は全員がモンスターの王座返上の流れを受けての戴冠だっただけに、先ずは当面は海外の強豪相手に防衛の実績を重ね、じっくり対戦の機運を高めて行ってほしい、と自分は思います。

 

一方、最終ラウンドに猛反撃を見せたものの逆転ならず敗れたモロニーは、武居に合わせるのに時間がかかってしまい自分のスタイルを出せなかった、負けたので結果は残念だが武居の強さを称賛する、今は心が壊れているがカンバックしたい、バンタム級王者が日本に勢揃いしているから、武居とのリマッチでも井上拓真への挑戦でもいい、また日本に戻ってきてほしいという戦いをしたい、とコメント。

 

まだ一線でやれる実力はあるにしても、挑戦する側になるとどの王者が相手であれ奪還はそう容易ではないような気がしますが... どうでしょうか。

 

 

◇WBA世界バンタム級タイトルマッチ◇

 

王者

井上拓真

(28=大橋:19勝5KO1敗)

vs

挑戦者1位

石田匠

(32=井岡:34勝17KO3敗)

 

井上選手は、ジェルウィン・アンカハス(比)に9ラウンドKO勝ちで初防衛を果たして以来となり、2ヶ月半のスパンでのV2戦&WBA指名戦。

 

昨年6月の挑戦者決定戦でビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)を判定で下し、WBAの指名挑戦権を獲っていた石田選手は、同年12月の前戦でジェームス・パガリン(比)を3ラウンドTKO、17年10月に当時のWBAスーパーフライ級王者 カリド・ヤファイ(英)に敵地カーディフで判定負けして以来の2度目の世界挑戦。


結果は 井上選手が 3-0(118-109×2、116-111)の判定勝ち。

 

この試合は試合日の翌日=昨日、動画サイトにフルラウンドの映像があったため観戦できましたが...

 

初回、井上選手がジャブで思わぬダウンを喫するシーンがあったものの、それ以降はリードブローの刺し合いに打ち勝ち、パンチの多彩さで明白にリードし続け、ほぼフルマークと映る内容の完勝。

 

体軸をぶらさずにスムーズに繋ぐコンビネーションなど、モンスターと練習を共にするその成果が随所に見られる危なげない勝利でしたが、兄とは違って圧倒的なパワーはないだけに、今後はアンカハスを倒したようなタイムリーなパンチを強化して見せ場を増やす試合をして行けるかどうか、に個人的には注目。

 

石田選手は、ジャブの牽制合戦で負けたことに加え、手数、攻撃の幅でも下回ったのが主要な敗因だったように感じました。

 

 

◇WBA世界フライ級タイトルマッチ◇

 

王者

ユーリ阿久井政悟

(28=倉敷守安:19勝11KO2敗1分)

vs

挑戦者3位

桑原拓

(29=大橋:13勝8KO1敗)

 

阿久井選手は今年1月、アルテム・ダラキアン(ウクライナ)を判定で下して王座獲得、今回が初防衛戦。

 

桑原選手は昨年7月、ウラン・トロハツ(中国)に4ラウンドKO勝ちして以来となり、世界初挑戦。

 

両者は21年7月に日本タイトルマッチで対戦、王者だった阿久井選手が桑原選手の挑戦を10回TKOで撃退しており、今回はかけるベルトを世界に変えての2年10ヶ月ぶりのリマッチ。

 

結果は 阿久井選手が 3-0(118-110、117-111×2)の判定勝ち。

 

試合から2日経った今日になってもフルラウンドどころかハイライトも見つからず、報道で結果だけ知っている程度の有様ですが...

 

日本タイトルの時の阿久井選手の倒しぶりの良さから来るイメージのためか、自分としてはまた王者が後半から終盤に右を決めて仕留めるのではないかと予想していたので、特に大きなヤマ場もなく判定決着になったらしい部分には、ほんのちょっと意外感も。

 

雪辱を期した桑原選手は、もうひとつ思い切った攻めに出きれなかった?ようですが、観ていない者にコメントする資格はナシ&しようもナシなので、これにて沈黙。

 

 

また、イベントの第一試合として行われたスーパーバンタム級8回戦、WBO3位/WBOアジアパシフィック王者/元IBF同級王者 TJ・ドヘニー(37=アイルランド/豪:25勝19KO4敗)vs フィリピン同級12位 ブリル・バヨゴス(22=比:7勝2KO無敗1分)は、ドヘニーが 4ラウンド 2:51 TKO勝ち。

 

3ラウンドに2度ダウンを奪い、4ラウンドに一気にラッシュしてレフェリーストップの圧勝だったこのこと。